一人の少女が成長する過程のファンタジー短編集
普通の短編集かと思いきや、一人の少女の、子供時代から、成長し、高校時代、30代、結婚後、そして亡くなるまでを描いた、ファンタジーな連作の短編集でした。松尾たいこさんの、印象的なイラストを見ながら読むと、いっそう不思議な気持ちになりました。 主人公のなりこが、生霊になっている3話目が私は好きです。「運命なら、すうーっと簡単に行くはず」というのが、しみじみ心に沁み渡ったから。そうだなぁと。 なりこが、娘を忘れてきてしまう話は、ファンタジーというより、ちょっと違うな、と思ったけれど、これも心に残る作品でした。自分の解釈でいいのかな、という不安はあるけれど、それもまたおもしろいな、と思いました。 人により、好きな話は違いそうな本です。人気があるのは、1話目と2話目のようです。私とは違うけど、素敵なかわいい話です。この本は、全体的に、不思議でかわいい話だから、そういうのが好きな人に良いんじゃないかと思います。
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