劇中劇に考えさせられる、歴史的事件の真相とは。
連合赤軍の山岳ベース事件をはじめて真っ向から映画化した本作。 連合赤軍事件を扱った『光の雨』という小説を映画化する、という入れ子構造のストーリーで、事件の箇所は劇中劇となっている。 劇中劇を演じる役者たちの、演じる内容に対しての違和感、とまどい、役にはまりこみ、次第に自分の思考と赤軍派の思想を重ねていく者もあり…と、単に残虐な事件の再現にとどまらず、現在の自分達の側から事件の性格を問い直す方向に話が進んでいく。 山本太郎、裕木奈江は異彩を放っていました。 モデルとされた実際の赤軍派メンバー、永田洋子、坂口弘は映画公開当時も存命だった(永田は2011年に死去)。 この事件が遠い日のなかったことのようになっているのはなぜなのか、あらためて謎に思った。 まったく美しいお話ではないのだけれど、月夜の行列のシーンは悲しく美しく、失われてしまったものに対しての、鎮魂を含んでいるのかな、と思いました。
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