「つれてって」
一冊が薄く、装丁の綺麗な単行本です。 内容もキャラクターの雰囲気も独特で不思議ながら、その世界観に浸れたらもう戻れない…ふとした瞬間に読み返したくなります。表紙をあけてすぐ、カバーの返しの部分に詩が載っていて、それがこの物語をよく表しているなーと思います。 「つれてって」と繰り返しています。作中にもずっと出てきます。 元軍人の琉・F・和彦が最高評議会の紘将軍から運んでほしいと頼まれたのは、物ではなかった。鳥籠のようなところで誰とも会わずにいたひとりぼっちの少女のスウ。最高評議会からの御頼みごと、そう易々とこなせるわけもなく、いろんな方面から和彦は攻撃され、狙われて、スウは一体何者なのか?という疑問が深まります。 アズライト軍のバルスにはもう苛々させられっぱなしです。 いいところで和彦たちを邪魔してくれるわ、ズルいわ、なんなんだ!って奴でして、和彦の右腕を奪った張本人です。 しかし、そんな和彦のピンチには、必ず銀月少佐が助けに来てくれます。イケメンです。 口数の少ないピンチヒッターはどうしてこうもカッコイイのでしょうか。 そして、和彦と行動を共にしているうちに、スウの内面が少しずつ変化していくのですが… この薄さの中に、ちょこちょこと張られた伏線が後々いい味出してます。
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