かりに理性が真相を探してゆくとすれば、ありきたりの面から離れている点こそ問題なんだよ
C.オーギュスト・デュパン
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探偵は、変わり者の世捨て人名家の血を引く貧乏貴族のオーギュスト・デュパンと名前の存在しない語り手は暗黒の夜を愛し、人里離れた田舎に屋敷を借りて暮らしていた。そんなある時新聞記事にてモルグ街で何とも奇妙な殺人事件が起こったことを知る。ある家に住む夫人と娘があまりにも惨い方法にて惨殺、悲鳴を聞き屋敷に飛び込んできた数人の男たちは言い争う二人の人間の声を聞くがフランス語だった、イタリア語だった、ロシア語だったと証言はバラバラ。物取りの犯行ではない、警察もこの奇怪で恐ろしい事件の解決を急いではいるが犯人像が掴めず苦戦している。その記事を目にしたデュパンと語り手は実際に事件の起きた屋敷へと行きこの難事件の真相を究明していく。この小説は1941年に発表された史上初の推理小説であり密室殺人事件。オーギュスト・デュパンは天才的な分析力と推理力を持った男でのちに生まれる世界的に有名な名探偵・シャーロックホー...この感想を読む
C.オーギュスト・デュパン
動機が分からない連続殺人事件が発生。死体や犯行現場の異常さ、残忍さばかりに着目し、難解事件だと騒ぎ、なかなか解決の糸口をつかめない警察に対し、名探偵デュパンが独自の推理を展開しながら放った言葉。「いままでにまったく起こったことのないのはどんなことか」に注目しなければ解決できないと断言する。