鉱石倶楽部の評価
鉱石倶楽部の感想
宮沢賢治を思わせる夢幻の世界
鉱石にまつわる短編集もしくは詩集という感じの本です。現実に存在する鉱石に独自の名前を付け、役割を与え、物語をつけ、鉱石の写真を添えているのですが、独特の世界観がとても素敵です。童話好きの私は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のような夢幻の世界を思い出してしまいます。美しくて、儚くて、この作品を読んで感じたことを言葉にするのは、無粋で無駄な努力のような気持ちになる作品です。それはさておき、作者自身の鉱石コレクションに物語をつけたというだけあって、物語の美しさは鉱石への愛がある故と感じさせます。そういう意味では、鉱石好きの人も、作り話とバカにしないで、ぜひ触れてみてほしい作品です。そして、鉱石好きさんだからこそ感じる思いを、ぜひ聞かせてください。