銀の檻を溶かしての評価
銀の檻を溶かしてについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
銀の檻を溶かしての感想
あやかしのものたちの悲しみと居住まい
人間よりずっと長生きするが、成長速度が極端に遅い(詳しくは解説されていないが、少年にしか見えないが数百歳、といった感じ)妖怪が主人公の、不思議な「薬」の店を舞台としたシリーズ第一作。魅力的なキャラクターが織りなす物語で、第一作ということで出会い・序盤といった印象が濃い。特異なキャラクターの造型、設定なども生かし切れておらず、「わかりやすさ」といった点ではかなり疑問が残るが、シリーズとして続けて読んでいくとそうした違和感も薄れる。設定・キャラの特異さは特筆に値する。妖怪もの、半妖・半人ものはジャンルとしてはもともとあるが、人間の側との関わり方、種としての葛藤が「人間よりでなく」表現されていて、興味深い。