戦国ARMORSのあらすじ・作品解説
戦国ARMORSは、作者・榊ショウタの歴史モノのバトルファンタジー漫画である。週刊少年ジャンプ(集英社)にて2011年14号~31号まで連載されており、コミックスは2巻刊行している。連載する前には週刊少年ジャンプの2010年9号に読み切りとして掲載されている。 舞台は戦国時代の本能寺の変から10数年の世界。豊臣秀吉が天下を統一し、世は荒れ果てていた。一方、本能寺の変で陰謀におとされ罪人として処刑されたとされていた明智光秀(天海)は、実際には殺されておらず生き延びていた。現在は僧侶に変装し暮らしていたが自身に罪を着せた豊臣秀吉に復讐の機会を探っていたと同時に今でも織田信長の思想に共感しており、世の中に平和をもたらすことを理想としていた。織田信長の娘のお長もまた明智光秀に使えており、同時に豊臣秀吉に恨みを持っていたが、この世で最強の武器と言われる甦土武・帝尺天の封印を解く存在でもあった為に命を狙われている立場であった。豊臣秀吉を討伐するため、明智光秀はお長と共に旅立つのである。
戦国ARMORSの評価
戦国ARMORSの感想
武士と武器
実在の戦国武将と「ソドム」と呼ばれる兵器が織り成す戦国ファンタジーとして、週刊少年ジャンプで掲載され全2巻で幕を閉じた今作。ストーリーとしては王道を行っていたが、魅力的なキャラクターが特徴だ。この作品の一番気に入っている部分が、登場人物たちの「二面性」だ。誰しもが持つ「光と闇」、それを巧みに描写することで登場人物たちがまるで生きているかのように映し出す。作者の技量は計り知れないと感じた。何よりも二面性をあらわにしていたのが、主人公・天海こと明智光秀。史実では主君である織田信長を謀殺した、冷酷無慈悲な天下の逆賊として後世まで伝えられているが、のちの研究によって彼が何者かによって嵌められたのではないかという報告がされたという。本来の光秀は家臣や民衆想いの温和な人物で、信長を心底慕っていたといわれる古文書があったとか。今作では後者が光秀の性格となっている。しかし、いくら温和といえど主君を貶めよ...この感想を読む