ハリー・ポッターと死の秘宝(上下巻セット)の感想一覧
J.K.ローリングによる小説「ハリー・ポッターと死の秘宝(上下巻セット)」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
親は無くとも子は育つ・・・が
この作品では、主人公たちの悪の魔法使いとの激しい戦いが描かれていますが、その経過については、とても孤独な様子で描かれたものが多いのが特徴です。それまでのシリーズ作品での、学校での和気あいあいとした様子との対比もあり、寂しさがより際立っています。ストーリー上そうした展開にしなければいけない、という事情もあったのかもしれませんが、これはまるで子供の巣立ちのようです。巣立ったばかりの子供にとっての社会は、時に厳しく、危険で孤独なものなのです。そうした社会では、親の保護もあまり役には立ちません。作品でも主人公の両親は他界し、よくしてくれる親友の両親とも離れなければなりません。もっともこれはシリーズ作品に共通した傾向であります。主な舞台が寄宿学校という性質を考えても、親の存在は薄めです。これは作者自身の体験を反映させたものではないでしょうか。作者はシングルマザーで、生活保護を受けながら子供を育て...この感想を読む
あまりの思いの深さに涙してしまいました
映画化もされ、大人気の『ハリー・ポッター』シリーズの完結作です。前作でスネイプがダンブルドアに死の呪いをかけるという衝撃の事件を経験したハリーは、ダンブルドアから託されたヴァルデモートを倒す戦いを続けることを心に決めます。命の危険があるばかりではなく、家族にさえ危険が及ぶ恐れのある戦いですが、ロンとハーマイオニーも行動を共にします。そんな危険に巻き込んでしまったことを後悔したり、責任と重さと謎の大きさに押しつぶされそうになったり、心身のストレスからすれ違ったりしながら、3人の絆はますます深くなっていきます。そして、最後の決戦が始まった時、スネイプの抱えていたとても深い思いが明らかになり、同時にハリーの恐ろしく過酷な運命も明かされるのです。そして、死に直面した時、ハリーがどれほど両親やその親友たちを大切に思い、また彼らから大切に思われているか、さらに、ジニーのことをどれだけ愛しているかが...この感想を読む
堂々と完結。
最終巻! ハリーポッターシリーズ7作目です。ハリーの過酷な運命を背負った戦いがついに完結・物語の進行とともら、これまでの主要な人物が次々と犠牲になっていくのには呆然でした。とても児童書とは思えない、怒涛の展開です。すべての謎が解き明かされ、スネイプ先生の境遇と変わらぬ愛「僕を……見て……くれ」泣けました。、ダンブルドア先生のショックな過去も切なく心に響きました。ヴォルデモートに言ったハリーの「自分のしたことに反省してみろ」という言葉。重く深く、すごかった。そしてハリーが子供につけた名前に、ほんとうに胸が熱くなりました。ハリーポッター完結。最高の終わり方です。
いよいよラスト
ハリー・ポッターシリーズ7作目、最終巻です。前作の衝撃的なラストから、どんな展開になるのか楽しみで読みました。物語は、本当に子供が読むのか?ってくらいに人死にが出ますし、とにかく暗い雰囲気が漂っています。今まで不遇の待遇を受けていたキャラクターが、実はこうだったみたいなネタばらしもあり、ラストはほんわかとしたハッピーエンドなので良かったと思います。ハリー・ポッターシリーズ通して張られていた伏線も全て綺麗に回収されています。こういった辺り、やはり作者の天才的な部分がかいまみえます。全7作の構想が初めから頭の中にあったように感じます。私は個人的にこの巻が一番好きでした。児童文学と馬鹿にせずに是非オススメしたい作品です。