ハリー・ポッターと死の秘宝(上下巻セット)の評価
ハリー・ポッターと死の秘宝(上下巻セット)についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が5件掲載中です。
各項目の評価分布
ハリー・ポッターと死の秘宝(上下巻セット)の感想
親は無くとも子は育つ・・・が
この作品では、主人公たちの悪の魔法使いとの激しい戦いが描かれていますが、その経過については、とても孤独な様子で描かれたものが多いのが特徴です。それまでのシリーズ作品での、学校での和気あいあいとした様子との対比もあり、寂しさがより際立っています。ストーリー上そうした展開にしなければいけない、という事情もあったのかもしれませんが、これはまるで子供の巣立ちのようです。巣立ったばかりの子供にとっての社会は、時に厳しく、危険で孤独なものなのです。そうした社会では、親の保護もあまり役には立ちません。作品でも主人公の両親は他界し、よくしてくれる親友の両親とも離れなければなりません。もっともこれはシリーズ作品に共通した傾向であります。主な舞台が寄宿学校という性質を考えても、親の存在は薄めです。これは作者自身の体験を反映させたものではないでしょうか。作者はシングルマザーで、生活保護を受けながら子供を育て...この感想を読む