銀の匙 Silver Spoonの感想一覧
漫画「銀の匙 Silver Spoon」についての感想が7件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
健全な精神は健全な肉体に宿る
満を持してのアグリカルチャー漫画漫画好きなら荒川弘氏の『鋼の錬金術師』は、タイトルだけでもご存知でしょう。一時期多くの読者から男性だと思われていた作家さんですが、骨太で力強い作風にあって、随所に差し込まれた所帯じみた描写(悪い意味ではありません)に違和感を覚えていたので、女性であることを知って得心したものでした。この作家さんの描く人物の腕は、男女問わず実に健康的です。短く切りそろえられた爪を持つ太い指は、まぎれもなく勤勉に働く労働者のもの。その労苦と喜びを知り、とても健全な環境で心身を育まれた人に特有の、強いパワーが作品からみなぎっていたのですよ。そして大喝采を得たハガレン終了後に発表されたのが、この『銀の匙 Silver Spoon』。「銀の匙を咥えて生まれてきた子供は食べるのに困らない」と、咄嗟に思い出したのは英国の諺でしたが、まさにそれを表したタイトルだったのでした。生まれて来た我が子には、...この感想を読む
今回も面白かった
4巻では、買った豚丼のお肉をとにかく食べまくります。バイトのお給料で豚丼のお肉を買う事を決意した八軒のこと、本当に大丈夫なのかと心配してたけど、しっかり自分の中で気持ちに折り合いをつけて行動にでていた八軒がすごいなと思いました。どんどんたくましくなっていきますね。あと、あんだけ嫌がってた実家にベーコンを送るシーンもよかった。実家から遠ざかろうとしてみせているけどやっぱりなんだかんだ言って家族のことが気になるみたいですね。早く仲直りできたらいいなあって思いました。どんどん面白くなっていく銀の匙、次回も楽しみです。農業高校の生活がすごく楽しそうなまんがです。
面白い農業学園マンガ
作者の荒川弘先生は北海道の農家出身なのだそうですね。リアルな農業の様子が分かり、食物を作ることには縁の無い側としてはとても面白いです。元々農業専攻じゃなかったのに、学力争いに疲れて入学した主人公、八軒 勇吾がワイルドな農業学校でたくましくなっていく様子がいいです。学校の生徒はみんな個性派揃いで、農業とは無縁のサラリーマン家庭に育った八軒にはとてもついていけないところもあったけど、今までとは違う学校生活がとても楽しそうです。見ていても、こういう学校に通いたいなと思います。友達に農業関係者がいるので、そういう人にもすすめたいと思うマンガです。
面白い!!
この漫画の作者の荒川弘さんってたしか鋼の錬金術師を書かれた方だと思うのですが、(思い違いだったらごめんなさい)全然雰囲気が違っていて、登場人物の性格なども全く違う、全く別の人が描いたと思えるような雰囲気の作品でした。だいたい同じ作家さんの作品は登場人物の顔が同じだったらい、作品の雰囲気が同じだったりすることが多いのですが。冒頭からひきつけられ、ほんの1ページ目からこの本の魅力に取りつかれてしまいました。八軒好きなキャラです。彼はまだ自分の魅力に全く気付いていないようですが。農業高校という存在は知っていましたが、どんな高校なのかは全く知らず、農業高校ってこういうことをするんだ~なんて思いながらも見ています。こんな楽しい学校だったら、私も通ってみたかったです。体力ないので、ついて行けないと思いますが・・・。
北の大地に生きる農業高校群像劇。
大蝦夷農業高校、略して「エゾノー」を舞台に、等身大すぎる高校生たちが描かれています。…なんか省略するとすっごく地味なのに、おもしろいのはなぜなんだ。家を継ぐ、という目的意識を蛾の鱗粉のごとく(たとえがなんかすいません)ふりまく同級生たちに気おくれする、エリート挫折組・今僕何の目標もありませんな主人公・八軒くんがけなげでかわいいです(年代的にはもうそういう目でしか見れない)。この漫画ではピックアップされた食べ物がもうえもいわれぬおいしさを感じさせる、という余録があるのですが、この巻では「生卵かけごはん」がそれです。群像劇でもありますが、キャラの書き分けのよいこと!今後も楽しみな第1巻であります。
農業高校、その実態は・・・
過去の荒川マンガとはまるで異なるジャンル。それでもしっかり同じものを感じることができました。真面目に一つのものに取り組む姿勢、クラスメイトとの友情・・・そして、超厳しい現実。しっかりツボにはまってしまいました。それにしても、農業高校ってみんなこんな感じなんですか?周りに通ってた人もいないし、農業高校自体、近所にないので全然知りません。この話を鵜呑みにしそうな自分が怖いです。もし、自分が入学してしまったら、八軒以上のカルチャーショックを受けること、間違いなし!若いうちから目的を持って進んでいく高校生が、熱く、たくましく、かっこよく見えてたまりません。八軒の成長振りが楽しみです!
子供にも読んで欲しい漫画
自分の学業漬けの毎日に嫌気がさして、まったく違う方面である酪農高校へ進学した主人公。日々当たり前のように食べている肉や卵が、どのように生み出されて処理されているかを、生々しくなく、それでいて共感を持てる感情で「見せて」くれる漫画です。主人公の悩みだけでなく、この5巻では学園生活を楽しむところまで成長をしはじめているので、気楽に読めます。大人が読んでも、朝早くから夜遅くまで大変な作業が続く、酪農の実態などを興味深く読めますが、「食べる」とはどういったことなのかを説明してくれているこの漫画は、子供たちにもぜひ一度読んで欲しいと思うお話となっています。