カフカ『変身』の評価
カフカ『変身』についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
カフカ『変身』の感想
あまりにも有名な古典の名作
突拍子もない設定にもかかわらず主人公グレーゴル・ザムザが“気がかりな夢から目を覚ますと”自分が巨大な虫になっていることを発見するという有名なこの始まり方は、多くの読者をこの時点で読むか読まないか選別することになるのではないかとおもうくらい、突拍子もない始まり方だ。しかし当の本人はことの大きさを理解しているのかいないのか、時折自分の体の動きや支配人の態度に“面白さ”や“微笑み”をもらしたりしている。この外見の深刻さと本人の意識の違いがこの小説の魅力を際立てているところでもある。グレーゴルがなぜ虫になったのか、その理由や過程などはまったく描写されていない。ただ朝起きたら虫になっていたというところから始まるのだから興味深い。それはまるで「最終兵器彼女」のちせがいきなり冒頭から体中から銃器を突き出した異形をし、どうしてその体になったのか説明が全くないのを思い出させた(もしかしたら高橋しんはここ...この感想を読む