恋愛中毒の評価
恋愛中毒についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
恋愛中毒の感想
悪い意味での女らしさ
恋は人を狂わせる本作のテーマはこれに尽きると思う。主人公の水無月は、離婚経験から恋愛はもうしないと決心しているが、タイトルからも察せられるように、その誓いが守られることはない。離婚後に水無月が恋をしたのは、相手は水無月より二十ほど年上の、傍若無人で女癖の悪い金持ちで妻子持ちのタレント兼作家・創路である。かくいう私(この文章を書いている筆者)はこの男の魅力にはいささか同感しかねるが、彼が物語において水無月を狂わせる存在となる。だが、物語の早い段階でも、創路の魔性というより、水無月の性格に原因があることは明らかだった。離婚経験という明白な事実だけでなく、読書や他人への探求など、彼女の集中力及び没頭力が強いことは文章の中で繰り返し示唆されている。それでいて仕事には精を出せず、人付き合いが苦痛、というのも、排他的な彼女の性格をよく表していた。基本は排他的であるからこそ、心の内側に入った人や物に...この感想を読む