聖痕の評価
聖痕についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
聖痕の感想
大御所ならでは。辞典も合わせて楽しめる。
読者を選ぶ、さすがは大御所朝日新聞で連載していた本作品のことを知ったのは、著者がホームページ上で、『枕詞逆引き辞典』というのを公開していたからだ。この『聖痕』という作品に、古語を多用する新しい試みをしており、読書の助けにしていただきたい、というようなことを書いていて、すぐに興味が湧いた。さらに、『創作の極意と掟』(著/筒井康隆)の中でも、本作『聖痕』は読書慣れしている読者を想定して書かれた実験的作品である、ということが語られており、読書好き、筒井ファンとしては読まないわけにはいくまい。本作は、書き出しからして確かに風変りで、少し小説をかじっている人ならば、どのあたりが実験なのか、小説慣れしてない読者はどこで躓くのかなどを考えながら読むのも楽しい。私が個人的に感じたことだが、こうしたクルクルとスピーディに展開していくような構成は、会話同様、女性の方が柔軟についていきやすいのではないだろう...この感想を読む