プリズムの評価
プリズムについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
プリズムの感想
興味深い題材でした。
解離性同一性障害(多重人格者)の男性のなかに存在する、一人の人格に恋をしてしまう既婚女性の物語です。ヒロインの聡子がステキに読んでいる人間を魅了しないのが、とても現実的になまなましく感じました。本文「・・私達が見ている光は色なんて見えないんだけど、プリズムを通すと屈折率の違いから虹のように様々な色に分かれます。人間の性格も光のようなものかもしれない・・」百田さんさすがです。なるほどです。人間とはということを改めて考えさせられた一冊でした。衝撃的でとても重いテーマを題材にしているのに、重いだけではなく、ストーリーに引き込んでくれたのは恋愛に焦点をあてているからなのでしょう。もっと別の人格が絡んできて振り回されてしまうような展開も読みたかったかなあ?と。