テルマエ・ロマエの感想一覧
漫画「テルマエ・ロマエ」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
平たい顔族と濃ゆい顔族の、時空を超えた(略)
異文化カルチャーギャップSFファンタジーコメディなんちゅう奇天烈な題材の漫画だろう(^_^;) 世界一のお風呂文化を誇る日本と、お風呂に並々ならぬこだわりを持つ古代ローマ人。それを力技で結び付けた漫画がこの「テルマエ・ロマエ」です。そもそも著者のヤマザキマリ氏の経歴が、またなんとも豪快なのですよ。人生行き当たりばったりというか、勢いでなんとかなったというか。その体験をつづられた作品ばかり読んでましたので、実はエッセイ専門の漫画家さんと思い込んでおりました。しかしこの一作で、すっかり有名になってしまわれましたねぇ。特に作中造語の“平たい顔族”は、妙にツボに嵌りました。10代でイタリアへ渡り、絵画と美術史を学んでおられたヤマザキ氏、当地での貧乏生活の後なぜか漫画家の道へ進まれました。その理由が産まれて来たご子息養育のため。甲斐性のない当時の恋人にとっとと見切りをつけ、友人の力を借りつつ描いたこともな...この感想を読む
ローマ人の風呂がどうしたって
阿部寛主演で映画化されたお話の原作です。ローマ人の風呂の話、というのが手っ取り早い説明なんだけど、随分ニッチな話で漫画を書こうと思ったものだなと。しかしお話の始まり方がやや不幸。第一話から失業するってなかなかないですよ。。。ローマ風呂の技師をやっているルシウスは時代の流れと相容れず、雇い主と喧嘩していまい失業します。そんな中突然「平たい顔族」(失礼なっ!)の国にタイムスリップしてしまうのですが、日本の風呂文化から色々学び革新的な風呂をローマにもたらすお話です。如何せん、登場人物が少ないものの古代ローマ人系の名前になじみがないのでいちいち誰だっけと思いながら読むのがちょっとネック。でも先が読めないストーリーラインでとても面白いです。
いちいち笑える
テルマエ・ロマエは古代ローマ時代の浴場と、現代日本の風呂をテーマにしたコメディ漫画になっています。現代の日本にタイムスリップした古代ローマ人の浴場設計技師のルシウスが日本の風呂文化にカルチャーショックを受けるシーンがとても面白いです。たとえば、フルーツ牛乳を飲んで・・・「美味いッ!!!」「このビンの形の完璧さはどうやって再現するんだ!!」「どうやってこんなに冷やすんだ!!」と毎回毎回驚いて、大真面目に考えるのですが、こういうシーンがたくさん出てくるのでいちいちわらえます。この漫画映画になって大ヒットしたけど、原作のヤマザキ先生は100万円しかもらってないって話題になったよね・・・
温泉へ行こう
実写映画にもなった、古代ローマの温泉という文化にスポットを当てた異色作品。基本的にパターンとしては、古代ローマの温泉設計技師ルシウスがなんらかの問題に直面する。↓思案中に湯に潜る事で、なぜか未来の日本のお湯の中へとタイムスリップ。↓カルチャーショック↓元の時代に戻り、日本の温泉文化を参考にして問題を解決。といった展開がほとんどです。主人公であるルシウスが、ひどく真面目な性格ゆえに、設定のバカバカしさが際立って見えて楽しい作品と言えるかもしれません。それと、意外と下ネタが豊富なのは裸で過ごすのが当たり前の温泉ネタからなのか、単純に作風なのかは判断つきかねますが(間違いなく後者でしょうが)、そこまで露骨な表現はありませんので、下ネタが苦手という人にも気持ちよく読んでもらえる作品なのではないでしょうか。