テーマはいいのに、展開や感情描写が雑な映画
始まり方から漂う、映画の質を疑う不吉感この映画を選んだのは、限りなく暗い雰囲気で救いのない映画を観たかったからだ。だからこそ、無事生還したものの手も足も無くしてしまった夫に妻がどう接するのか、戦争の重さなどがその絶望感に拍車をかけるのではないかと思い、そのストーリーに深刻な重々しさを期待(というのは語弊があるかもしれないけれど)して観た。だが結果は、どうも私の思っていた方向の映画ではなかった。この映画の監督の若松孝二は基本的にピンク映画の監督で、それが悪いというわけではないけれど、この映画自体もそちらのほうに重きが置かれているような気がしたからだ。彼の作品で見たのは「完全なる飼育」だけだったけれど、あれもサスペンス的にもピンク的にも中途半端で、よくわからない映画だった。要は好みだとは思うけど、私とは相性の良い監督ではないようだ。この映画の始まり方も、私が映画の質自体を疑う、スタッフロー...この感想を読む
1.51.5
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