自虐の詩の感想一覧
映画「自虐の詩」についての感想が5件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
毒ありハートフル
くすりと笑えるシーンが多くて、ほのぼのした気持ちにももちろんなれるんだけど、どこか毒がある。暴力的な亭主、という設定の時点で、もう、ちょっと毒が見え隠れしている。暴力的なんだけどちゃんと嫁にたいして特別な感情はもっているというのがよい。これを見ていると、ちゃぶ台返しを一度ぐらい、してみたくなる。ちゃぶ台を返されないように、固定してみたりして対抗する妻がかわいい。大家さんのキャラクターも好きだ。音楽(EDテーマ)は安藤裕子。ふわふわした声と切ないメロディー、安藤裕子にしては意味のわかりやすい歌詞が映画の雰囲気にぴったりあっていると思った。
至って真面目なコメディ
中谷美紀の「あんたー」と叫ぶシーンと、阿部寛のちゃぶ台返しがお決まりの「オチ」のように段々楽しくなってきます。まだ夫婦ではないけれど、夫婦のような2人の部屋のとなりに住む怪しいカルーセル麻紀や、ラーメン屋の店長、中谷美紀のお父さん役などなど脇役も名脇役ばかりで、面白い。学生時代の悲しい出来事、貧乏でブスでと、とても自虐的な回想シーンだけど親友ができるまでの、感動なのだが笑えてしまうストーリーもいい味が出ています。親友の森田さんと大人になって再会する時は、ツボです。2度見してしまいました。西陽が部屋に入ってきたシーンで「あー貧乏くせぇ」というシーンがあるのですが、これを見てから、西陽がよく差す部屋は選ばなくなりました(笑)
設定はとても面白かったのだけれども。。
予告編を拝見したときから、かなり楽しみにしていた作品でした。ただ、期待が大きかっただけに少々ストーリー展開に面白みが掛けた気がします。阿部ひろしさん演じるイサオみたいなタイプの男性って、あまり今どきみない感じの“亭主関白”“自分勝手”な人だなーと思いました。ちゃぶ台返しって、実写版で始めて見ました!この映画で一番の見所シーンです。 そんなイサオを献身的に、ひたむきに支える妻幸江を演じた中谷美紀さんの演技は圧巻です! あんな美人なのに、完全なる幸薄感が出てました! さすが女優さんです!後半、自分勝手なイサオの優しさが沢山垣間見る事が出来、言葉には出さないけれど、伝わる夫婦愛には感動しました涙。 ただ、結構間延びするというか、テンポの歯切れが悪い印象もあり、残念。 少々見ていて退屈になるかもしれません。
熊本さんの衝撃
阿部寛さんの見事なちゃぶ台返し、中谷美紀さんの「嫌われ松子の一生」以来の幸が薄い役ということで劇場にて鑑賞。さらに堤監督ということだから、小ネタも期待していた通り。ちゃぶ台返しを防ごうとする幸江を微笑ましく思ったりもした。この辺りまでは前情報があったので、あらかた予想していた雰囲気通り。全く予想していなかったのにすごい勢いでやってきたのが熊本さん。幸江は経済的な面で恵まれてはいなかったけれど、喧嘩もできて仲直りもできて、何でも話すことができる熊本さんという親友に恵まれた。2人の感動のエピソードに胸を打たれていた中、大人になった熊本さんが登場した時の衝撃はすごかった。そこから感動のラストへと続くが、最後まで熊本さんの衝撃が残った。
星一徹に勝てる ちゃぶ台返しは必見
阿部寛演じるイサオのちゃぶ台返しは必見だ。加藤家のお父さんよりも「巨人の星」の星一徹よりも迫力がある。なんせCG使われていますから。大迫力のイサオは働かず、中谷美紀演じる幸江から金をせびってはギャンブルや酒に費やす、いわゆるヒモ男だ。パンチパーマで奇抜な色のガラガラの服を来ている風貌は、現代のちゃらいヒモ男とは違う。少し昭和の匂いがする。そして、情にあつい。幸江を愛している。ギャグ性あふれているので前半は笑える。後半は涙が止まらない。鑑賞している者は想定外の感情の変動に驚く可能性大だ。ぜひ、ダメンズを愛しがちな女性に鑑賞してもらいたい。あなたの愛する人は不器用でも愛してくれていますか?