幸福な食卓のあらすじ/作品解説

「家族」と向き合う

こういった淡々とした作品が多くの人に受け入れられにくいことは分かっている。けれど世の中分かりやすいことばかりでなく、むしろ分かりにくいことの方が多い。そんな意味ではかなりリアリティーのある作品だった。お父さんがお父さんをやめたり、お母さんが家を出たり、お兄ちゃんが今までの人生をリセットする、というストーリー。静かに形を変えようとする家族。そのこと自体は珍しいのかもしれないけれど、家族との関係に悩んでいる人ほど共感できると思う。生まれた時から一緒にいて、一番甘えたい存在だけど、実は一番気遣わなくてはいけない存在なのだ。家族、ということを、家族以外の勉学やヨシコが教えてくれるような気もする。特にヨシコの一言はかなり考えさせられる。