ダニー・ザ・ドッグのあらすじ・作品解説
殺人”犬”として育てられた男の再生を描いた2005年公開の米/仏/伊合作のアクション映画で、数多のファンを絶望と感涙に揺さぶった怪作である。ジェットのアイデアを元に「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のリュック・ベッソンが製作/脚本を担当、監督は「トランスポーター」のルイ・レテリエ。 ダニーは幼い時から、高利貸しのバートの元で殺人訓練を受け彼の”犬”として育てられ、賭け試合で闘わされる毎日を過ごしていた。が、ある日、宝石商の地下倉庫で盲目の老ピアノ調律師サムと出会い、後に彼の家に転がり込むことに。彼の家には18歳の養女ヴィクトリアがおり、ダニーは初めて人間らしい優しさと温かさに触れ、唯一の母の思い出の曲に出会うが…。 ダニーをジェット・リーが演じアクションも多岐にわたり充実しているが、”犬”を演じたことはアジア中で批判された。サムを「ミリオンダラー・ベイビー」のモーガン・フリーマン、バートを「モナリザ」のボブ・ホスキンス、ヴィクトリアを「きっと ここが帰る場所」のケリー・コンドンが演じている。
ダニー・ザ・ドッグの評価
ダニー・ザ・ドッグの感想
暴力性と純粋性の両立
ジェット・リーの真の魅力この映画は、ふだんクールな役が多いジェット・リの、アクションはもちろん、演技での魅力も光っている。いや、演技というか、これが純朴で飾り気のない人柄の、ジェット・リーの本当の姿ではないかと思うほど、自然な表情を見せていて、見ているほうも彼が笑えば嬉しくなるし、泣くと悲しくなるようだ。それでいて狂犬のように暴力性がある一面もあり、そんな側面を持ちつつ、蟻も踏み潰せないような怯えた顔をするから、不思議に思える。あんな惨めで屈辱的な生活を強いられていたにも関わらず、荒んだところがなく、はじめは人間不信気味だったものを、そのわりには、すんなりと知らない家族に馴染んで、警戒もなさそうに懐いてしまう。老人と少女しかいない家庭なら、その力でもって脅して、今度は自分が支配できる立場になれるだろうにも関わらず、しない。他より秀でた暴力的な力を持ち、犬扱いされる屈辱を味わされたら余計...この感想を読む