マシニストのあらすじ・作品解説
「リベリオン」のクリスチャン・ベールが、役作りのため30Kg減量し話題となった、2004年公開のアメリカ/スペイン合作のサイコ・サスペンス映画。監督は「セッション9」「ハッピー・アクシデント」のブラッド・アンダーソン。脚本は「テキサス・チェーンソー」(2003年)のスコット・コーサー。 真面目な機械工トレヴァーは、不眠症で全く眠れないまま1年が経過、体は痩せ細り、現実と幻想の境界が曖昧な日々を過ごしていた。が、ある日、部屋で奇妙な記号のメモを発見し、”同僚のアイヴァン”と名乗る男が現れる。ほどなくして同僚のミラーが作業中の事故で片腕を失い、自身も事故に遭いかけるなど不吉なことが続く。一方、空港のカフェのマリアや娼婦スティービーには癒されるが…。 マリアを「ぼくは怖くない」のアイタナ・サンチェス=ギヨン、スティービーを「黙秘」のジェニファー・ジェイソン・リー、ミラーを「トータル・リコール」のマイケル・アイアンサイド、アイヴァンを「ガリシアの獣」のジョン・シャリアンが演じている。
マシニストの評価
マシニストの感想
異常者ではない男はわたしでも
普通の男が「異常者」として描かれる物語。1年間不眠症に悩まされろくな睡眠をとれず幻覚を見るほどに憔悴しきっている男は、その暮らしぶりから周りにも奇異な目で見られながらも日々生きている。物語が進むにつれて男がどうして不眠症になってしまったのかに気づいたとき、わたしは心拍数と体温が上がった。男は本当に異常者か?良心があるが故に壊れる人間。この男は善悪の判断がつかないような精神異常者では全くなかった。むしろ人間らしく心優しい良心を持ち合わせていたがために大きな罪悪感に苛まれていた結果、不眠や幻覚に陥ってしまっていたのだった。ただただ悲しい。良心が人を壊すなんて…。そんなことなら良心なんて持たないほうがどんなに楽に生きられることか…なんて思ってしまいそうだが、わたしはそこまで落ちぶれちゃいない。世の中には人を傷つけても平気で笑い、自慢気に武勇伝として自分の悪さを語り酒をあおぐ人種がいる。かたや、...この感想を読む
見るときには、心の準備が必要な映画
クリスチャン・ベールの役者根性に強く引かれた作品です。ダイエットに燃えてる人なら、これは見たほうが宜しいかも。ここまでやれるんだと、衝撃を受けられます。罪悪感にさいなまされて生きる男の話なのですが、この心理描写が見事です。人が持つ精神構造を見事に描き出しています、手を洗う時に使う大量の洗剤、眠れない、また眠ると見てしまう夢にうなされる。お気に入りの娼婦のところに行き、飛行場のカフェの女の子を顔を見に行くのが日課。恐ろしいのはこの男が働いている場面です。朦朧としている寝ない食わない男が働いているのが大きな機械が動いている工場です。これは怖い、見ていても震えでしまうトラウマ級の恐ろしさ、ご覧になるときには心の状態に気をつけてから、どうぞ。
30キロもの減量で挑んだクリスチャン・ベールの演技が凄い
パッケージからも見てわかるように、病的に痩せたクリスチャンベールの役者魂と演技が素晴らしい作品です。彼だからこそここまで完璧にできた役でしょう。眠れない男を演じていますが、見ているとこちらまで苦しくなってきます。また、同様に、現実かそうでないのかわからなくなってくる。オチについては、ある程度途中から想像ができますが、それにしても見応えのあるストーリーです。そして、ラスト、やはりそうかと思いながらも、面白かったという感想が残りました。音楽も効果的に使っており、映像にぴったり合っていてよかったです。波のように穏やかに進行していく話で、一人で静かに見たい映画です。
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