桜の森の満開の下のあらすじ・作品解説
坂口安吾の同名短編小説の映画化作品で、峠で出会った美しい女に魅入られて翻弄され、殺戮を続ける山賊の道行と破滅を描いた、1975年に公開された日本映画。監督/脚本は「少年時代」「夜叉ヶ池」の篠田正浩。共同脚本は「卑弥呼」「心中天網島」の富岡多恵子。 かの昔、鈴鹿峠を根城に旅人を襲い、男は殺して金品を奪い、女は浚って女房にする悪行を繰り返す盗賊がいた。望むものは何でも奪い手に入れる盗賊であったが、ただ一つ、満開の桜だけは忌避していた。彼はある日、都から来た女連れの旅人を襲うが、女の美しさに惚れ連れ帰る。女は居丈高になり、根城に囲っていた女を足の悪い1人を残し全てを切り殺させるが、やがて女が都に帰ると言い出し…。 盗賊を「衝動殺人 息子よ」「悪魔の手毬唄」の若山富三郎、女を「鬼龍院花子の生涯」「鬼畜」の岩下志麻、足の悪い女を「昭和枯れすすき」の伊佐山ひろ子、旅人を滝田裕介が演じている。他に西沢利明、笑福亭仁鶴、西村晃、浜村純など。
