キングコング対ゴジラの評価
キングコング対ゴジラの感想
怪獣王ゴジラとキングコングの夢の対決!
世紀の大怪獣対決。キングコングとゴジラを共演させた夢の映画ともいえます。脚本の関沢新一は、異境の神秘を背負って都市を破壊する象徴としてのキングコングと、放射能の恐怖を象徴するゴジラとの対決というストーリーをベースに、人間の戦後社会の生き方や高度成長で犠牲になる弱者社会を、この娯楽映画を通じて訴えているのではないでしょうか?プロレスチックな怪獣同士の格闘シーンなど子供向けと思われるシーンはいくつかありますが、その根本に描かれるテーマは、製作者たちの意気込みが感じられるところでもあります。監督・本多猪四郎、特撮・円谷英二、音楽・伊福部昭のチームワークの良さが、安心して観ていられる映画に仕上げられていると言って良いでしょう。
怪獣プロレスで多くのファンを魅了した作品。
アメリカ製怪獣(?)と日本の怪獣を戦わせよう、という企画意図で生み出された作品。映画タイトルやポスター画像の立ち回りなどから、いかに「ゴジラ」側が「キングコング」側に気を使って製作されているかが見て取れて、映画全体のお祭り感とは裏腹に、立場的な哀愁が見て取れる。上記の企画意図上、結局のところ完全に白黒をつけるわけにもいかず、戦いについては終始なあなあで済まされる。……そう言い切ってしまうと味気ないが、実際のところは(当時の視点から見れば)今まで誰も見たことがない怪獣同士のプロレスが実現されたということで、その人気が凄まじかったであろう事は容易に想像できる。