深層心理の微妙なニュアンスを捉えた会話のドラマであると同時に、行間のドラマでもあるエリック・ロメール監督一流のウイットの効いた面白さで見せる 「モード家の一夜」
フランスの地方都市クレルモンフェラン。クリスマス直前の日曜日、教会のミサに行った"私"は、祈りを捧げる若い女フランソワーズに一目惚れしてしまう。夕方、14年ぶりに再会した友人に誘われ、モード家を訪れた"私"は、その女主人にも心惹かれ-------。性格的に真面目な男性が、二人の女性の間で引き裂かれ、最終的に一方の女性に誠実であることを選ぶのが、「六つの教訓話」シリーズの第3作目であるこの作品「モード家の一夜」だ。映画の中で、一人称の"私"で語られる男は、30代半ばのエンジニア。敬虔なカトリック教徒で、女性関係はクリーンというか、晩熟である。彼が心惹かれる女性その1は、カトリック系の学校に通う女子学生フランソワーズ。教会で祈る彼女の姿は、清楚この上ない。女性その2は、離婚して娘と二人暮らしの女医モード。理知的で教養深く、加えて自由奔放な彼女は、男なら誰だって飛びつきたくなる程、セクシーな大人の女性なのだ。"私...この感想を読む
4.04.0
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