グランド・ホテル形式でパニック映画の典型をみせる、超豪華なオールスター・キャストによる 「カサンドラ・クロス」
この「カサンドラ・クロス」のキャッチ・コピーは、「タワーリング・インフェルノとポセイドン・アドベンチャーを超特急列車に乗せて突っ走らせた映画」というものでした。まさしくこの映画は、1970年代に大流行したパニック映画(本場のハリウッドではデザスター映画)の典型であり、またグランド・ホテル形式のオールスター映画に他ならず、その点で「タワーリング・インフェルノ」や「ポセイドン・アドベンチャー」や「大空港」などの先行ヒット作品の要素を細かく分析研究して、映画製作のプロフェッショナルたちが、そのエッセンスをかき集めたものに違いないのです。ロバート・カッツ、トム・マンキーウイッツと共に自ら脚本も書いているジョルジュ・パン・コスマトス監督は、ギリシャ生まれで当時32歳の新進気鋭の若手監督でした。彼がこの自分の映画に対して、「これは『エアポート'75』式のアメリカ映画ではないし、『オリエント急行殺人事件』のよう...この感想を読む
4.04.0
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