ジュリアの評価
ジュリアについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
ジュリアの感想
知的に美しく見事な深みと品格を持ち、透徹のまなざしを静かに熱く注ぐ女性賛歌 「ジュリア」
この名匠フレッド・ジンネマン監督の「ジュリア」は、知的に美しく、見事な深みと品格を持った女性映画の秀作だと思います。アメリカを代表する女流劇作家リリアン・ヘルマンは、"女流"という特別扱いを拒否し、また、かつてマッカーシー上院議員による"赤狩り"の嵐が吹き荒れた時代における、勇気ある行動でも知られる、いわば最高のインテリ女性ですが、この映画は、そんな彼女の自伝的な回想の物語なのです。一人の優れた魅力的な女性リリアン(ジェーン・フォンダ)の生き方に、人格に、そして精神形成に、少女時代から関わり、大きな影響を与えた女友達ジュリア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)と、結婚という形をとらずに30余年の生活を共にした、愛人の探偵作家ダシール・ハメット(ジェースン・ロバーズ)の二人。良き友情と、良き愛情に恵まれたヒロインの、今老いて孤高の、だが寂寥の姿に、人生の重みが切々と迫って、深い感動に心が満たされます。ユダ...この感想を読む