水玉ファブリックのあらすじ・作品解説
「水玉ファブリック」は、白泉社の「LaLaスペシャル」2006年8月号に掲載された、林みかせの漫画作品である。 林みかせは2001年にデビューし、2004年には白泉社アテナ新人大賞デビュー優秀者省を受賞している。その他の作品として、「地球行進曲」「青色図書館」「君とひみつの花園」などがあげられる。 この作品の主人公は、かわいい洋服が大好きな、背の高い女子高生、深瀬頼。普段は制服を着て高校に通っているが、私服登校の日に、好きな男の子に、「その背でかわいい服似に合わない」と言われ大ショックを受ける。それがトラウマになり、背の高さもかわいい洋服も大嫌いになってしまう。ある日、友達に連れていってもらった、かわいい洋服を売っている店で、その店のオーナーにスカウトされ、ショーのモデルをすることになるというストーリーである。 この作品は2007年1月に単行本が刊行され、「星に願いを」「導きの杖」「杣木さん家の恋愛事情」が同時に収録されている。
水玉ファブリックの評価
水玉ファブリックの感想
珠玉の短編集、読み切りではなく連載にしてほしい
弱いわたしを認めることから始めよう「水玉ファブリック」林みかせ先生、初めての短編集です。女の子の不安な気持ちが全部出ています。大好きな人に大好きなかわいいお洋服を変だと言われた瞬間、頼の世界が反転した。自信なんてないのに勇気を出して着てきた洋服が変だと言われたら、悲しい気持ちでいっぱいになります。それがコンプレックスになって胸につき刺さって取れないのもわかる気がします。頼は、日頃から私たちが不安に思ったりしていることそのものです。そんなときに洋服店のオーナーからモデルにならないかと言われた。20万円のディスプレイの椅子を壊したから、仕方がないと言えば仕方がなかったのかもしれませんが、自信なさげに参加するのが頼らしくていいです。傷つかないでいい方に自分を向かわせるのは、自己防衛力が働いていて自分を守る体制に入っているからだと思います。傷ついてまで勝ち取るものに意味を見いだせない。「きっと...この感想を読む
可愛くないなんて言われて可愛い服を諦めてしまった女の子。
好きな男子に私服を見られて一言「似合わない」って言われた女の子はその日から可愛い服を諦めてしまいました。でも着たいって願望はずっと消えず、ある日可愛い服の制作をしている男性にモデルをしてほしいと頼まれてしまいました!店の椅子を壊してしまったので仕方なくすることになったのですが、可愛い服への憧れと着たいという思いはずっとあって楽しそうな毎日を過ごしますが、他のモデルのやっかみや妬み、そして好きな男の子の言葉がまた心に刺さってしまいモデルを辞退することに。しかし、作られた服は女の子の事を考えて作られたもの。製作者の想いは女の子へと伝わって、ショーの会場へと走っていきます。他にも違う話が収録され、書下ろし漫画もあって内容充実です。林先生の世界観に触れたら…後戻りはできません(笑)