アイディア満載のコメディの傑作
出だしから「えッ!?」と驚き作品が始まった途端、ビックリします。なぜかというと、私たちが日頃よく見るテレビのドキュメンタリーっぽいインタビューから始まるからです。「そういう(ドキュメンタリー)映画だったっけ」と若干、混乱させられます。素人っぽい老人の証言。まるで宇宙人を見た体験談を語るようなシーン。その老人の証言内容を聞くにつれ、カメレオンマンについて証言しているんだとわかり、ドキュメンタリーを装った、パスティーシュな映画なんだと納得させられます。そしてこの独自世界が始まるのです。何にでも同化する主人公や他の役者の淡々とした演技と構成のすばらしさ。主人公のカメレオンマン(ウディアレン)をはじめ、彼の主治医で彼と恋に落ちる女医(ミアファロー)を含め、出演者が、本質的にはコメディ映画のはずなのに、一切、笑わず、ウディアレン独特の饒舌ぶりも影をひそめ、演技だけをみれば、淡々としているんですが...この感想を読む
4.34.3
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