オール・ザット・ジャズの評価
オール・ザット・ジャズについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
オール・ザット・ジャズの感想
華やかなミュージカルの中に浮かび上がる死のモチーフを基に、現代アメリカの退廃や病巣そのものを描いた「オール・ザット・ジャズ」
カンヌ国際映画祭で、黒澤明監督の「影武者」と並んでグランプリを受賞した、ボブ・フォッシー監督の「オール・ザット・ジャズ」は、凄い映画だ。 この「オール・ザット・ジャズ」は、グランプリに値する程の重量感と風格を持った映画ではない。 だが、同時受賞の「影武者」のように重苦しいばかりの時代劇に、ややついていけない私としては、現代人の病根を描いたこの作品の方に、むしろ大いに共感を覚えるのだ。この映画の題名の意味は、"あれや、これや”と言ったアメリカの俗語なのだそうだが、ブロードウェイに生きる人間の心象を、死のイメージまでも重ねて描いていると思う。 監督のボブ・フォッシーは、あの名作「キャバレー」や「レニー・ブルース」を撮った人で、映画の世界よりも、アメリカ演劇の本場ブロードウェイで、ミュージカルの神様的な存在なのだ。 子役、コーラスボーイからスタートして、アメリカン・ショービジネスの世界を存分に知り...この感想を読む