不安の種のあらすじ・作品解説
不安の種は2004~2008年にチャンピオンred及び週刊少年チャンピオンに連載された中山昌亮のオムニバスホラー漫画。コミックスは全7巻。 登場人物達(毎回異なる)が何の前触れもなく現れた怪奇に振り回される様を描く、一話完結型のストーリー。独特なビジュアルと演出とインパクトの強い描写でより、読者に恐怖を与えている。また、怪奇には名前もなく正体を現す説明もない。怪奇は現実に起こりうる出来事かものかもしれないという感覚に陥れる仕掛けもあり、読み終えた後も尾を引く作りになっているのも本作品の特徴。2013年の夏には実写映画化がされ、主演は石橋杏奈、須賀健太、浅香航大、岩井志麻子、津田寛治。監督、脚本は長江俊和が務めた。また、公開される1週間前に東京シネマート・六本木で完成披露試写会が行われたが、サプライズとして本作品の重要キャラクターでもある「オチョナンさん」がステージに登場し会場をより恐怖で沸かせた。
不安の種の評価
不安の種の感想
不安の種を植え付ける
この作品を一言で表すならば、本当に恐ろしい作品である。ホラー漫画なのだから当たり前ではないか、と思われるかもしれないがこの不安の種、という漫画は他のホラー作品とは一線を画した出来となっているのだ。一般にホラー漫画といえば登場人物が幽霊やお化けなど怪異現象に遭遇して恐ろしい目にあい読んでいる我々読者をも怖がらせるという作りになっている。しかしこの基本が不安の種では通用しない。登場人物が出てきて何らかの恐怖体験にあっている話も多いのだが、一般的なホラー作品の場合どんな終わり方であったとしてもその恐怖体験に関して何らかの結果が出た上で結末を迎えているのに対し、不安の種ではその恐怖現象だけを提示しておいて読者が求めているような解決やあるいは破綻する展開は一斉起こさない。恐怖体験だけを読者に印象づけることで、読者に「不安の種」を植え付けているのだ。もしかしたら、一般生活にもこんなことが起こりうる...この感想を読む