不安の種を植え付ける
この作品を一言で表すならば、本当に恐ろしい作品である。 ホラー漫画なのだから当たり前ではないか、と思われるかもしれないが この不安の種、という漫画は他のホラー作品とは一線を画した出来となっているのだ。 一般にホラー漫画といえば登場人物が幽霊やお化けなど怪異現象に遭遇して恐ろしい目にあい 読んでいる我々読者をも怖がらせるという作りになっている。 しかしこの基本が不安の種では通用しない。 登場人物が出てきて何らかの恐怖体験にあっている話も多いのだが、 一般的なホラー作品の場合どんな終わり方であったとしてもその恐怖体験に関して何らかの結果が出た上で結末を迎えているのに対し、不安の種ではその恐怖現象だけを提示しておいて読者が求めているような解決やあるいは破綻する展開は一斉起こさない。 恐怖体験だけを読者に印象づけることで、読者に「不安の種」を植え付けているのだ。 もしかしたら、一般生活にもこんなことが起こりうるのではないか、と。
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