ウインダリアのあらすじ・作品解説
1986年7月19日に公開された長編アニメ映画である。原作・脚本は「マジンガーZ」、「宇宙戦艦ヤマト」などそうそうたるアニメ作品の脚本を手がけた藤川桂介。監督は「魔法のプリンセス ミンキーモモ」で総監督を務めたことで有名になり、のちに「ポケットモンスターシリーズ」を任されることにもなる湯山邦彦。さらに、キャラクターデザインはいのまたむつみと豪華な顔ぶれで話題となった。 「ウインダリア」は人間の業を描いた、美しくも哀しい物語。南方にはアーナス姫が暮らす海の国・イサが、北方にはジル王子が暮らす山の国、パロがあった。そして、イサとパロにはさまれた、巨木ウィンダリアのそびえる片田舎の村にはイズーとその妻マーリンが暮らしていた。しかし、イサとパロは敵対し、その争いを防ごうと姫と王子は奔走する。また、そこに巻き込まれて行くイズーたち。やがて争いは戦争へと。二組の男女運命はその中で翻弄される。 2000年にビクターエンタテインメントからDVDが発売されている(再発盤はアトラス、2005年)。
ウインダリアの評価
ウインダリアの感想
自業自得を描いた悲しい物語
同世界の中に二人の主人公この「ウインダリア」というアニメ作品を観て、印象的に感じたのは、同じ世界の中に二人の主人公が存在して、交わり合うことなく締め括られることです。一人目の主人公は疑いようもなく、青年イズーの存在でしょう。彼の存在を中心に、基本的には物語進行しているように思います。そして、二人目の主人公は、イサ国の王女であるアーナスの存在です。制作スタッフは、アーナスを主人公に据える意図はなかったのかもしれませんが、存在そのものが大きく、結果的に主人公のように映っているのかもしれません。もし、二人の主人公を意図的に据えるのであれば、二人の主人公が交わる場面が描かれていたのだと思います。しかし、全く交わることがなく、同じ世界に存在しながら別々の道のりを辿っています。その事実が、意図的に据えられたものではないことを表しているところです。また、敵対国の首脳の子供たち同士の恋愛は、本来の主人...この感想を読む