テキサスレディオギャングの評価
テキサスレディオギャングの感想
いじめられっ子の復讐劇
リアルと非リアルの混交高校生であるピーターは悪意や差別意識に溢れる学校に怯え、自分の意思を殺し、周りに流される生活を送っている。ここは学校漫画にはよくある設定で、もしかしたら現代の学生たちの共感性をもっとも得られるからかもしれない。Twitterのフォロワー数やダンス動画の再生回数で「人気」の度合いが数として、目に見えるものとして表れてしまうことを会話の中に登場させることにこの作家のうまさを感じる。この、「よくある設定」つまり「現代の学生が抱く気持ち」の続きがこの漫画の注目点である。友達が殺される、のだ。リアルに飛び込んでくる非リアルがピーター、つまり一番今の学生が感情移入をしている主人公にどう影響を与え、物語がどのように展開していくか、この漫画はそのストーリーの土台作りが素晴らしかった。この漫画の本質は物語自体にではなく、読み手が自分を重ね合わせることのできる主人公がラジオドラマという未知の...この感想を読む