ビブリア古書堂の事件手帖のあらすじ・作品解説
ビブリア古書堂の事件手帖は、同名小説を原作とした漫画。角川書店より発売されており、作画を担当しているのはナカノである。 神奈川県北鎌倉が舞台になっていて、古書に関してはずば抜けて膨大な知識を持つ栞子さんが客の持ち込む古書をめぐる謎を解き明かしていくミステリーである。本を査定してもらうために訪れて栞子さんに偶然アルバイトとして雇われることになった五浦大輔、栞子さんの姉妹、本を持ってビブリア古書堂にやってくる客とその家族など、多くの人々の関わりとそこから起こるミステリーが主に描かれている。 作中に登場する古書はすべて実在する。夏目漱石の『それから』や、太宰治の『晩年』、アントニイ・バージェスの『時計じかけのオレンジ』がよく知られている。 原作小説は2012年1月、発行部数がシリーズ累計103万部となり、メディアワークス文庫でミリオンを達成したのは本作が初めてである。 なお漫画は既に完結しており、全6巻が刊行されている。
ビブリア古書堂の事件手帖の評価
ビブリア古書堂の事件手帖の感想
本を手にするってことは価値あることだなーと思える
イラストが加わることで厚みを増した世界に絵がね、いかにも小説から漫画になった、という雰囲気だ。なんで小説から漫画になる作品って、絵が似ているんだろうね。栞子さんはかわいいし、ビブリア古書堂の雰囲気も好きなんだが、ファンタジーではない場合、躍動感があんまりない。でもその絵がそれっぽさに繋がっているし、ストーリーの面ではおもしろいので、小説の内容により厚みが加わった印象になる。「ビブリア古書堂の事件手帖」は、そりゃーもう人気の小説だった。古書堂で店主を務める篠川栞子、そして近くに住む五浦大輔といういかつい男を主人公に、古書にまつわる事実を紐解いていく。さすがにセリフだらけ。でもそれを読まなきゃ始まらないのが事件の真相。推理系の「名探偵コナン」くらいが読めるなら、同じように読み込んでいけるだろう。栞子はとにかく古書に対する知識がハンパなく、その内容の理解度、歴史的背景や発売された当時の状況理...この感想を読む
古書をめぐる人々の人生を紐解く穏やかな推理戦
小説の世界観そのままにあまりにも人気だった小説のコミックです。ビブリア古書堂で店主を務める篠川栞子と、近くに住むプー太郎の五浦大輔を軸として、古書を巡って静かに巻き起こる事件を解決させていく物語になっています。小説の感じをそのまま残して絵をつけた感じなので、言葉がめっちゃ多いです。そのため、言葉を読んで理解して推理していくのを追いかけていくだけでけっこう疲れる作品のようにも思います。だけど、説明・推理モノが好きな人なら、それほど苦なく読み進めることができるでしょうね。実際に鎌倉に存在する本屋さんを舞台としているだけあって、妙にリアルな雰囲気と優しい空気が流れていきます。推理系なので、基本的に動きは少なく、栞子のたぐいまれなる古書の知識を武器に、大輔やそのほか悩めるお客さんとの対話の中で、事件の真相を紐解いていく。そんな物語になっています。ビブリア古書堂に持ち込まれる古書は、年月が経過し...この感想を読む
栞子さんに惹かれる
本屋に行けば平積みで高く積まれ、累計何百万本も売れている大ベストセラーであり、コミカライズ、ドラマ化もされた大人気シリーズとなった「ビブリア古書堂の事件手帖」の第一巻です。その名の通り、古本屋の店長の栞子さんが古本にまつわる事件を解決していく、一応ミステリーだと思います。しかし、がりがりのミステリーの雰囲気はなく、鎌倉の空気感と本が好きなおとなしい大人の女の人の持つ、独特の影の雰囲気がとても印象的で、栞子さんの魅力に惹かれていきます。この辺りはとても良く描かれていますし、昨今の文学が読まれなくなった時代にしてみては題材も面白いと思いました。第一巻なので、続きが読みたくなります。