デミアンの評価
デミアンについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
デミアンの感想
胸の底に残る作品
プロットや表面的なキャラクターをなぞって読んでそれで済んでしまう、ライトな作品ではないです。ヘルマン・ヘッセの哲学的な、人生のなんとも言えない不思議でえげつない部分を精神的な思索から描いていく作品です。読み進めていくうちに、人が生きていくのに感じている影をしっかり認識していき、心の中に湿り気が生まれていきます。話は誰でも経験があるのではないかという、青春期の不安定な感じ、浮遊感から始まります。そして、成長とともに多少の確信を得るがそれも朧げなものであったり。ヘルマン・ヘッセの他作品に比べて結構読みやすい作品です。これくらい平易な物語でこれだけ深い哲学と名残を残す作品は、さすが名作と呼ばれる作品です。