モッキンポット師の後始末の評価
モッキンポット師の後始末についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
モッキンポット師の後始末の感想
貧乏学生達の青春珍騒動
腹を抱えて笑ってしまうような小説です。カトリックの学生寮に住む貧乏学生の三人組は悪知恵を活かしては珍妙なバイトに手を出しては悪銭苦闘するのですが、大抵うまくいかず、結局は三人の身元保証人である怪しい日本語を操るフランス人牧師モッキンポット師が、後始末をするという流れなのですが、三人組の生活感も貧乏学生だった井上ひさしの実体験をベースにして、とにかく面白いです。しかしながら、タダの笑い話というわけでは無くて、話の中に盛り込まれた様々な知識の他に、物語のベースにはキリスト教的思想や生活者の目線などが、しっかりと織り込まれており非常に良く出来た小説だと思います。