狂四郎2030の評価
狂四郎2030についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
狂四郎2030の感想
汚く、美しい、愛の物語
この漫画に興味を持ったのは、週刊少年ジャンプに掲載されたスーパージャンプの広告だった。主人公である狂四郎と、ヒロインのユリカが固く抱き合って口づけをしているその絵は、作品の内容を全く知らない私の中の何かを揺さぶるものがあった。やっと出会えた二人、のようなコピーが書てあっただろうか、もうかなり昔のことなので覚えていない。私の心を揺さぶったものの正体を知りたくて、本作品を手に取った。この物語は数多の犠牲の上に成立った、汚く、美しい、愛と懺悔の物語である。まず、バベンスキーの目を通じて丁寧に描かれた2030年の不条理な世界観に引き込まれた。どんな悲惨な場面にもギャグを挟んでくる作風のおかげで、悲惨な物語も最後まで読めた。物語が進むにつれ、狂四郎の狂気に満ちた過去がどんどん明らかになるが、ここまで主人公やヒロインを堕とす作品もあまり無いのではないだろうか。彼らはその経歴から、自分を弱く・汚い人間だ...この感想を読む