ビリー・ミリガンと23の棺の評価
ビリー・ミリガンと23の棺の感想
一人の人格になれるか否か
心理学やカウンセラー等の職業に興味がある人は読んだら良いと思います。私はこのビリーミリガンのシリーズを読んで心理学に興味を持ち、心理学科のある大学に進学しました。一人の人間の抱えているものを吐き出せ、人格を統合させていく作業の壮絶さなどを読むと凄い仕事なんだと思います。自分を保つのすら危うくなりそうだなと読んでいて怖くなりました。人間の心の闇。ビリーの中の人格の多さ。とにかく壮絶です。読むと、とても疲労します。なかなかしんどい読書です。読み終わって、ビリーに幸せが来るようにと思いました。彼のその後が幸せだと良いと本当におもいます。
解離性同一性障害治療のヒントに。
解離性同一性障害の有名な症例といえば、ビリーミリガン。別人格が23人もおり、その別人格が性犯罪や殺人をおかしてしまった。精神障害ということで無罪にはなるんだけど、もちろん普通に釈放はされない。ちゃんと治療をするために隔離される。精神病院でのビリーと他の人格の生活についての本。環境が悪かったり、いろいろあるけど、まあビリーにも悪いところはあるなあ、と思う。最終的に彼は、人格の統合に成功し、いまはちゃんと働いているらしい。彼の症例をみていると、解離性同一性障害はとても治りにくいけど、決して治らない、というか、日常生活が送れるレベルにならない病気ではないんだな、と思う。