心に残るかどうかは、あなた次第・・・・・・
この作品は劇場で観ることができず、ブルーレイを購入。既に四度ほど鑑賞しました。 キャラクターとストーリーを高く評価することはできませんでした。 物語のディティール自体は嫌いじゃないです。細かいことを気にしなければよいのですが、やはり現代物でファンタジーが混ざったものだからこそ、細かい部分の設定を練って欲しかった。要するにツッコまれる隙をなくして欲しかったです。 たとえば、助産師なしの出産。子供達には戸籍はあるのか。ゴミ収集車が狼の亡骸をそのまま車に放り込むってかい。花や狼男というそのものへの掘り下げの少なさ。そして、いつも花は大量に本を借りまくっているが、返却期限を果たして守れているのか!? 等々。 四度も観てしまった理由は、映像と音楽の素晴らしさ。田舎の人々の暖かさやお茶目な部分に何度でも惹かれてしまうからです。 この作品の舞台は細田監督の故郷だそうです。実際にロケハンをして、富山県の奥地の、監督の原風景がそのまま本作品の世界となっているわけですね。 こだわり抜いた部分が秀逸だからこそ、「あれ?」「おや?」と所々に疑問符が浮かんでしまうシーンが目立ちました。 ちなみに、おおかみこどもの二人は本当に可愛いです。中の子も子役さんで、上手に演じていたと思われます。 テーマが母と子。子育てなのですが、花が母親の役割を果たしている姿にもっと重きを置いてもよかった気がします。どちらかというと、親子三匹。渡る世間を生き残りやす! ってサバイバルして必死に生きとります! という感じが印象に残りました。 この作品を観て、何が心に残ったのだろう。美しい音楽と風景の調和。これに尽きます。 サウンドトラックはマストバイ、と言っていいほどの完成度です。きときと~四本足の踊り~(劇中で親子三人が雪原を走り抜ける時の曲)には、何度でも心躍ります。
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