恐いもの見たさとタブー 両方とも魅力がある - 毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトの感想

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恐いもの見たさとタブー 両方とも魅力がある

4.54.5
映像
4.5
脚本
4.5
キャスト
4.0
音楽
3.5
演出
4.5

写真家ダイアン・アーバスの写真に対する覚醒、もしくは自我の覚醒を描いた作品で、写真好きな人なら多分、お名前はご存知だろうと思います。 この映画の主人公ダイアン・アーバスの父親はロシア系ユダヤ人、ニューヨークの五番街の高級デパートの経営者。ここはぜひ押さえて置いてください、彼女は裕福な家庭に生まれて、親はいわゆる綺麗な夢を売るお商売で、彼女と夫は、結婚してから実家の広告の仕事をもらいます。それから有名な写真スタジオになっていくのです。 夫は写真家と言われて、自分は彼と共に仕事をするのですが、心が晴れない。この状態は自立したいと言うはかなく健気な自己の要求を示しているようです。 真綿で首を絞められるような息苦しさを、せつせつと見せてくれます。 親や夫の囲いの中から外れて、自分の選択したい物を良いと言う自己の存在と戦う一人の女の姿が、平和なところで戦っている一人の戦士のように写ります。 彼女は人が眼を背ける物に興味を持ちました、存在しているのに無視されてる物を取り続けます。

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他のレビュアーの感想・評価

類友てきな

写真家ダイアン・アーバスがヒロインに設定されているものの、そのストーリーはフィクションであると最初に明言されています。彼女の実際にそくした状況と、創作の内容とが混然一体となったストーリーであるため、このクレジットがなければ100%事実だと勘違いしそうな話です。ダイアン・アーバスは、その当時見てはいけないとされていた人たち、例えば奇形の人や服装倒錯者などの、いわゆるフリークスと呼ばれる人たちのポートレートを撮った写真家として有名です。彼女がフリークスに目を奪われ撮らずにはいられなかったように、本作の監督もまた、彼女の作品と生きざまに強く引き付けられたのではないでしょうか。アーバスと被写体と監督と、同じにおいがするってかんじです。この怪しい魅力がいっぱいな作品は、映像が美しいので彼らと同類でなくても楽しめる作品です。ただ、ストーリーについて深く考え始めると納得がいかなくなってくるので、そう...この感想を読む

3.53.5
  • 84view
  • 438文字

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