教育について考える
考える事、伝える事
現代の中学生や教師のリアルな生態を表していると思いました。割合が低いものもありますが、現実に起きている事です。クラスのヒエラルキーもハッキリと分かりやすかったですが、ゆとり世代のど真ん中が背景なせいか、1話目 から冷静な話し合いをする穏やかを感じました。バタフライナイフで事件が起きた時に、持ち歩いていた藤山くんが、証拠もなく庇われたり、疑われたりしていても、足子先生の「クラスメイトを信じましょう」の提案に大人しく従ったり、小川さんが異論を唱えた途端に、薄情者扱いをされているシーンなどを見ると、何も考えずに、多い方に流されているだけなんだな。と思いました。しかし、様々なトラブルを経て、鈴木先生のできちゃった婚での鈴木裁判の最終回。自分の発言で誰かが傷つく事を痛感したり、意見が多い方が正しい訳じゃない。とクラス全員が理解しながら冷静に討論が出来ていたと思います。中盤で竹地くんと河辺さんを中心とした性指導の学習率の話がしっくりきました。また中村さんと出水くんが食事マナーの件でトラブルを起こした時も、考えた結果、行動に移してしまい鈴木先生の仲介により和解します。価値観の共有とか難しい事ではなく、人の嫌がる事はしない。って事ですね。中村さんは、ここから視野が広がったと思います。漫画が原作ですが、漫画の絵に比べるとドラマだと美男美女のクラスになりますが、なんとなく出演者の雰囲気が似ているのも面白いと思いました。
オープニングにもこだわり
オープニングソングは1話から最終回まで同じ曲(光射す方へ)で、映像は、鈴木先生の眼鏡をリレー形式で生徒達がかけていくと言う演出ですが、ただ眼鏡をかけているだけでははく、友達に手渡しする演出もあり、先生の教えをみんなで繋いでいくクラスの絆のようなものを感じました。オープニング映像は、毎回少しずつ違います。1話目はドラマ全体のあらすじのようなドラマショットが盛り込まれています。不定期ですが、他の回でも予告などを含めた見どころがシーンが入ったりします。また、映像で眼鏡をかける生徒も、毎回違いますし、人数も違います。あまり目立たない生徒も、オープニングでスポットを当てられてるので、鈴木先生が実験と称して目指していた生徒達同士で助け合える、より良いクラス。という表現の1つだと思います。そして、生徒の表情にも注目すると、この回でトラブルを起こしたり、メイン役になる生徒は、シリアスで申し訳なさそうな表情をしています。他の回では、笑顔で楽しそうな表情も見られます。9話、10話(最終回)の2回に分けて、ほぼクラス全員が男女交互に眼鏡をかける演出をします。生徒名も同時に大きい文字と共に紹介されます。メインヒロインの小川さんの眼鏡リレーをする姿は見られません。オープニングの終盤でバケツいっぱいに入ったカラーボールを、先生にかぶせるシーンも毎回同じ映像ですが、最終回だけ特別な演出があります。ボールをかぶせ終わった後に一瞬、クラスの集合写真が画面に映ります。いつも鈴木先生の目には何も映ってませんが、先生の目にはクラスの集合写真が映っています。カラーボールを何故被せるのかと疑問に思っていましたが、鈴木裁判が終わって下校をする際、クラス全員で結婚を祝福をしました。先生は自分の指導が想像以上に生徒達を成長させていると実感。みんなのさしていた傘の色がカラーボールと同じ色なので、生徒達と一体になれた。クラスがまとまった。というメッセージだと思います。ドラマ本編もですが、特にオープニングには力が入っているし、メッセージが強いドラマです。
女子中学生の嫉妬
トラブルメーカー扱いされていた隣のクラスの神田さん。鈴木先生のクラスを小川さんわや選んで自分は外された事で荒れてしまいました。小川さんが目立つ程、慕われていく程暴挙に走ります。神田さんは足子先生の指導で、同じような価値観を持っていて、性には潔癖なんだと思います。性指導をきちんと聞いてる様子から伺えます。河辺さんの彼氏の事もバカにしたりします。自分を選ばずに、河辺さんを気に入る山口先生に嫉妬していて、山口先生が嫌いなのではなく、他の女性を選ぶ身近な男性自体が嫌なんだと思います。また誰からも好かれている小川さんに嫉妬していたり。頭の回転の速さも悪知恵になってしまい、嫌な女性になりきってしまっていたようにも思います。鈴木先生が懸念していた、学校は問題のない生徒の摩耗の上で成り立っている。自分のクラスだけに力を入れすぎたせいで、問題のなかった神田さんを摩耗させていた事に気付きます。しかし、山口先生が暴力事件で退職した時に、主防犯が神田さんだと知りますが、誰も話を聞いたりフォローしなかったのかが気になります。承認欲求を満たして欲しいSOSだったと思います。そして、樺山さんと横関くん。よくある話ですが、小川さんの好きな人を聞き出して、横関くんが諦めるように仕向けたり。よっぽど好きなんですね。事態が大きくなり、小川さんが追い詰められる形になってしまいました。誰も悪くないと思いますが、嫉妬して諦められない様子が痛々しくも可愛らしくもあります。これぞ中学生という感じです。
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