オトナの女子の恋愛トークとオシャレな生き方
女が3人揃うと姦しい…
多い…全くもって多い。アラフォーの女優が3人揃ってああでもないこうでもないと恋愛について嘆くドラマが。既視感かと思うほどゴロゴロ転がっている。小洒落たお店で細いグラスを傾けるヴァージョン、大衆的な居酒屋で「生中、おかわり!」と酔いつぶれるヴァージョン、小ぎれいなマンションの一室で鍋パーティーをするヴァージョン。大抵90パーセント以上の確率で女が3人と決まっている。悪友とも呼ぶべき3人組。そのうちの一人が既婚者だったり、バツイチだったりするのもよくあるパターンだ。だいだい3人ってそんなに実際上手くいくものなのか。偶数のが良くない?別に遊園地に行くわけじゃなくて、お酒飲んでウダウダするには3人が丁度いいのかな。このドラマもご多分に漏れず3人なんだけど、篠原涼子を含む3人組って他にもあったんじゃないか。もう頭が混乱しそう。それに、だいたいドラマの中の篠原涼子は、よく言えばサバサバしていて、悪く言えばガサツ。そして仕事がデキる。部下思いの姉御キャラ。そうではない篠原涼子も見てみたいような気がする。刑事のヤツがあったっけ。もうモノマネ芸人がやる「オメーヨーォ」という篠原涼子しか浮かんで来ない。
そして、吉瀬美智子はカッチリ美人系。鈴木砂羽はちょっぴりオラオラ系。どこかで出会ったことのあるような無難なキャスティングなの。こういうのはまり役っていうのかな。もうちょっと斬新でもよかったような気がするんだけど。確かにタイトル通り、きちんとオトナできちんと女子な3人。
男性のキャスティングはどうなのよ
安心感のあるオトナ女子3人組のキャスティングに反して、篠原涼子の相手役は江口洋介だ。これは、私は怒りたい。どうして江口洋介?江口洋介は私の中では、あんちゃんで、進藤先生で、里見先生だ。これはドラマのタイトルを言わなくても、あーアレねと誰もが分かってくれると思う。あんちゃんになる前の江口洋介も「東京ラブストーリー」とか「101回目のプロポーズ」だとか「愛という名のもとに」とか他もろもろ、江口洋介にしかできない役を演じてきた。チャラい男とストイックな男。両方に振れている。どちらもできるのが江口洋介なのに、書けなくなった傷心の気難しい作家の役。それ、江口洋介じゃなくちゃいけない?何だか江口洋介の無駄使いのような気がする。それとも完全に篠原涼子に食われてしまったのか。
庶民的な定食屋さんで、篠原涼子が卵かけご飯をかき込むシーンがある。それを見た江口洋介が苦笑いをするのだけれども、何だか江口洋介の個性が感じられなかった。卵かけご飯をかき込むのは江口洋介の方でしょう。私は江口洋介が好きなので、非常に残念だった。
鈴木砂羽の三男の担任の先生役、千葉雄大はカワイイ。こっちのがオトナ男子。年齢層の高いドラマをグッと引き下げた感じ。鈴木砂羽に惹かれていたようだけれど、そんなことあるかいなと、そこはしらけた感じになってしまった。熟女好きなの?と。しかし、3人組に一人以上男性を割り当てなければならないので、そこはもう先生か弁当屋のオーナーくらいしか、鈴木砂羽には周りに男性がいないものね。きっと、子どものいるバツイチママってそれくらいしっかり仕事しているのだと思う。
展開が期待通り過ぎるの…
もう、一話を見ただけで最終的に篠原涼子と江口洋介が結ばれることが視聴者に分かってしまうのだけれど、このドラマはそこを楽しむものではないのかしら。谷原章介や、平山浩行がちょいちょい恋愛に割り込んでくるのだけれども、かませ犬というかダミーというか、かき回すだけの存在で、最後には物わかり良くあきらめていく展開も想像どおり。このドラマには驚きがないの。オトナ女子3人組の恋愛トークを楽しむことが第一なのかしら。最初に篠原涼子がダメンズ?ヒモ?と付き合っていたのが、ちょっとした引っかけだったのかな。それとも飼い猫のちくわのブサ可愛いところが一番の推しだったのかしら。私にとっての驚きは千葉雄大の熟女好きというところにしておこうか。もっともっとワクワクドロドロした展開を期待していたのだけどな。
吉瀬美智子が母親から自立するところは良かったと思う。まあ、これもよくある話だけれども、子離れできない母親が多い風潮をドラマに絡めてあった。鈴木砂羽の家庭の問題も、いじめや、できちゃった結婚など盛りだくさんだった。そう振り返ると、篠原涼子と江口洋介の恋愛はやっぱりベタ過ぎてもう一波乱も二波乱もあってよかったんじゃないかと思う。自分のことを恋人の作家が書いてそんなに怒れることかなとも思ったりもした。それが一番の事件みたいになっていたけれども、そんな誤解はすぐ解けるでしょう。実際解けたし。とにかく、篠原涼子のカッコイイ生き様みたいなものをアピールしたい気持ちは伝わった。篠原涼子にしかできない役だったのかもしれない。そしてオトナ女子のファッションのお手本になったかな。あんなふうにオシャレに生きたいものですね、いくつになっても。
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