５本の指に入るくらい好きな作品 - Summer Snowの感想

主人公を取り巻く環境から２つの大きな愛を知れる

両親を事故で無くし、弟は聴覚障害。好きになった人は心臓に疾患を抱え、

妹は後に妊娠。その相手は弟のように可愛がっているが警察のお世話になるような問題児。

そしてそのお世話になる警察は好きな人のお父さんで・・・。という主人公・篠田夏生を

とりまくさまざまな環境で、家族への愛、そして恋人への愛。２つの愛をたくさん感じる。

中でも主人公の夏生は今時珍しく情に厚い男。周りからするとちょっと

暑苦しかったりお節介だが、それでも周りの人から頼られるすごい奴なのがいい。

主人公・夏生を演じる堂本剛の名演技がヤバい！

このドラマの見どころと言えばやっぱり主人公・篠田夏生役を演じる

堂本剛の名演技でしょう。彼は元々ジャニーズの中でも演技がうまいほう

だとおもいます。今回の役は情に熱い役のため、結構怒鳴ったり声を荒げる

場面も多いのですが迫力があります。逆に恋愛になると照れたり歯にかんだり

夏生の純粋な気持ちが伝わってきて、とっても可愛いです。

いまでは名俳優のあの人の初々しい姿が見れる！

このドラマは人気の俳優さんやアイドルもたくさんでています。

今見返すと「え！こんな人も出てたの？」ってビックルする人も。

堂本剛(kinkikids)をはじめ、広末涼子、今井翼、小栗旬、池脇千鶴。

ほかにも中村俊輔、国仲涼子、塚本高史など今でも人気の俳優さんの

若いころの姿が見れます！

特に小栗旬は、今よりかなり幼くて初々しくて、

でも聴覚障害を持つ難しい役を立派に演じています。

泣けるポイントその１・聴覚障害を持つ弟・篠田純のエピソード。

ユキの同僚の美沙が、ユキの名前を使って純とメールで連絡を取っていたが、

純は自分の聴覚障害のことを気にしてなかなか会えずにいる。

「学校ではいつもおしゃべりしてる」という嘘をついてしまう

ところなんて切ないです。勇気をだして会ってみるが美沙は純の障害を知り

嘘をつかれていたと激怒。正直、このドラマの国仲さんは可愛いけど嫌な奴です。

傷ついた純を見て、職場に乗り込んで文句を言う夏生。すごくカッコいいです。

「障害のこと１番気にしてるの兄貴じゃないか」って泣く純にこちらも涙です。

泣けるポイントその２・弟の純とのもっと泣けるエピソード。

問題児の弘人が少年たちに呼び出されたのを知って、弘人の非行を止める為

現場に乗り込む純。その時同時に警察が少年たちを捕まえに来るのですが

補聴器を取られてしまった純は耳が聞こえない状態で必死に弘人を探す。

そんな純を見て「止まれ！」と指示をだす警察。でも純はその声が聞こえず

そのまま走っていると警察に逃げたと思われ掴まえられ、それはもうぼっこぼこに

されるわけですよ。あのシーンはホントに涙がちょちょぎれますね。

泣けるポイントその３・妹の妊娠が発覚した時の家族の愛

妹・篠田知佳がまだ１０代で弘人との子を妊娠してしまいます。

そのことを知った夏生が弘人に詰め寄るシーンの迫力がすごくて

個人的にはすごく好きなシーンです。台を飛び越えて弘人に詰め寄る夏生。

ちょっと噛むんですけどそれがまたなんかリアルで、ドキドキします。

弘人がちょっと怖気づいて姿をくらます中、子供をおろすことを夏生に

伝える知佳。「お前はどうしたいんだ」と聞く夏生に「１人じゃ育てられない」と

泣く知佳に「お前の気持ちを聞きたいんだ」と言う夏生に「生みたい」と言う知佳。

夏生も純も一緒に育てることを決意。熱い家族愛を感じて泣けますね。

泣けるポイントその４・障害と戦いながらも普通の恋愛を望む葛藤の日々

障害を持っているから心配をかけないようにと小さいころからたくさんのことを

我慢してきたユキ。でも夏生と出会い、初めてのダイビングを経験。

しかし、心臓の発作がおきてしまい病院に運ばれる。父親にはきつく叱られる。

もちろん父親もずっと病気のことを心配してきたし、何かあったらと思うと

考えるだけでも恐ろしい思いをずっとしてきたのも分かるし、

好きな人と何かを一緒にやりたいとか、初めてのことを経験する喜び、ユキの

気持ちも分かるからこそ、切ないし病気が憎いと思う場面がたくさん。

ユキのためになにもしてあげられない自分に病院で１人号泣するシーンは

涙なしでは見られない。また、堂本剛の演技力にあっぱれです。

泣けるポイントその５・みんなに愛された男の死、そして愛する人への移植

このドラマの中で最も泣けるシーンと言えば、絶対的に後半シーンです。

夏生はふらふら自転車で走る少年をかばって事故にあって死にます。

ユキにとっても命にかかわる状況でドナーが見つかり移植に成功。

なにも知らないユキは篠田家を訪問し、夏生に会いにくるがそこに夏生はいない。

妹の知佳から夏生の死を聞かされるユキのショックは計り知れない。それに

事故のあと夏生はユキに会いに来ていたのだ。あれはたぶん生きた夏生では

なかったのだが、そんなこともあって夏生が死んだことを受け入れられないユキ。

信じないと泣きだすユキに「信じたくないのは私たちも同じ。でもお兄ちゃんはもう

いないの！」と泣きじゃくる知佳。そのシーンが１番泣けます。そして、

ユキは自分に心臓を提供してくれたドナーが夏生だと気づきます。今までの夏生を

知っているからこそ、最後に死んじゃうのかよ！！ってかなりショックでした。

でも夏生が死ななかったらきっとユキが死んでいたかもしれない。それも悲しい。

少年をかばって亡くなるっていうところが、夏生ぽいというかなんというか。

それぞれの気持ちになって見るとまた色々考えさせられる

疾患による生と死。事故による生と死。妊娠による生と死。

このドラマは本当に生と死についてとても多くのことを考えさせられます。

自分が今、病気もなく家族に支えられ、なんでも好きな物が食べられ、明日

目が覚めることを当たり前のように眠りにつく。好きな人と一緒にいられる

幸せも、なにもかもが本当に恵まれていることなんだと気づきます。

自分が当たり前に出来る事が他の人も当たり前に出来るとは限らない。

もっと生きていることに感謝を持って毎日を過ごしたいと私はこのドラマを見て

そんなことを思いました。人それぞれ感じ方は違うので色んな人の目線で見ました

かなり切なくなりますので要注意ですけど。

 

Summer snowとは

このドラマのタイトルのsummer snow。直訳すると「夏　雪」ですね。

ドラマの中でとてもきれいな海の中のシーンが流れるのですが、

サマースノーとは「海に舞う雪」や「夏の雪」という意味があります。

これは簡単に言うと珊瑚の産卵が雪に舞っているように見えるため、

サマースノーと言われているみたいです。

また今回のドラマに関しては主人公が夏生、ユキという名前ですから

「夏生とユキ」という意味もきっと含まれているのでしょうね。

最期に

このドラマは私の中では５本の指に入るくらい印象に

残っている作品です。泣けるシーンも多いし切なくなるシーンも

たくさんあるけど純粋に人を愛する気持ちや家族愛など

とにかく愛にあふれた作品だと思います。ただ１つだけ不満を言うとしたら

やっぱり最後に主人公が死ぬのは悲しすぎる。

意外な展開ではあって驚かされてドラマ的には面白い展開なんだろうけど

やっぱり心臓疾患を抱えるユキには夏生と幸せになってほしかったです。

あれが現実だったとしたら、ユキがもう恋愛できなくなるような気がして。

ある意味ハッピーエンドかもしれませんがどうしても納得いってないので

評価は満点ではありませんでした。でもすごく好きなドラマです。