映画というよりは、浅草のPR映像 - えんこえれじー 浅草哀歌の感想

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えんこえれじー 浅草哀歌

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観た人
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映画というよりは、浅草のPR映像

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映像
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脚本
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音楽
2.0
演出
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目次

浅草の風俗を知ることができる作品!!

「えんこえれじー 浅草哀歌」を視聴した感想です。
率直な感想を申し上げると、「これは本当に映画というくくりでいいのか?」と、見ていて何度も疑問に思ってしまいました。

この作品は、浅草を舞台とした三つの短編映画で構成されています。
それぞれ「ばかの街」、「走る街」、「粧いの街」と題されています。
「ばかの街」は、浅草の三社祭をテーマにした作品。「走る街」は女性の人力車の車夫を主人公とした作品。「粧いの街」は、新人の芸子を主人公とした作品です。

わたし個人が面白いと思った順番に並べると、「粧いの街」、「走る街」、「ばかの街」といった所でしょうか。
どの作品も、あまり触れることのない文化に触れていて、勉強になって面白いと思いました。

特に「粧いの街」は、芸子さんの世界が舞台ということで、普段目にすることのないシチュエーションが多く、勉強になりました。

冒頭から主人公のこおろぎが、研修の日記をモノローグで読み上げるのですが、化粧の仕方から日記につけて記録しているんだなあと、初めて知りました。
着物の着付けや、お茶のお作法も練習するんですね。
そういった知識が入ってくるのは、面白いと思いました。

また、「走る街」では、一部実話も交えての映像化ということで、興味深く見ることができました。
まず、人力車に女性の車夫がいるというのが新鮮な設定でした。
主人公はOLを辞めて車夫に転向した設定ですが、恐らく本当にそういう人がいるんでしょうね。

そうした浅草の風俗を知ることができる点は、面白いと思いました。

演技力が全体的に低い印象……


ただ、映画として面白いか?と問われると、ちょっと微妙ですね。
映画というよりは、「浅草を紹介する映像に、ストーリーがついた物」という印象です。
映画としての映像やストーリーの面白さは乏しいと思いました。

一番気になったのは、全ての作品の主人公から脇役に至るまでの演技力の低さです。
役者なのか、素人なのかは分かりませんが、見ていて「おや…?」という感じの人が結構いましたね…。
「これは本当に映画なのか?」と見ていて不安になりました。
滑舌が悪いとか、声が出ていないとか、そういった基本的なレベルで演技力の低い人も、何人かいました。
学生の演劇のサークルの人達を見ているような感じですよね。

一人二人なら分かるんですよ。
今はアイドルや、お笑い芸人も映画に出演する時代です。
そうした人達が、役者と並ぶと演技的に見劣りするのは分かります。
しかし、みんながこの調子となると…。
普通、脇役くらいはきちんとした役者さんを用意していると思うのですが…。
そのおかげで、作品の雰囲気がチープなものに感じました。

ストーリーもオリジナリティーがほしい!


また、作品のストーリーも、申し訳ないですがありきたりでチープだと思いました。
正直見ていて、この作品はあくまで浅草の風景や文化を画面に映すことが目的で、ストーリーは二の次、三の次なんだな、という印象を抱いてしまいました。

特に「ばかの街」は終わり方もよく分からなかったです。
主人公の千秋は、大の祭り好き。友達以上恋人未満の男、武男の生家が浅草と知るや、付き合う代わりに三社祭に参加させてほしいとせがみます。(すでにここまでで、何でそうなるの?という感じですが…。)

三社祭の当日、武男の実家でハッピを着せてもらい、ウキウキの千秋。しかし、武男に「太っただろ」と腹肉をつままれたことに激怒。一転して「もう帰る!」と祭りを見ずに帰ろうとします。(そんなことでそんなに怒りますかね…。)

しかし、武男の姉になだめすかされ、しぶしぶ三社祭に参加する千秋。
しかし、御輿を担ぐ武男にすぐに惚れ直す千秋。そして見つめ合う二人…。

作品終了、そして流れる現実の三社祭の光景…。

「えっ、これで終わり?!」とびっくりしました。
もう、「えっ、それでいいの…?」の連続で、ストーリーについていけないですね。
もう結局最後の三社祭の映像を流したいだけにしか見えなったです。

また、「走る街」も違和感を感じる所が結構ありました。

まず、カメラマンの志香乃がずっと笑顔でカメラを向けていることに、違和感を持ちました。

すごく嫌なお客さんに、競馬の馬に見立てて、車夫の塔子が人力車を引きながら囃し立てられるシーンがあります。
普通顔をしかめるとか、気の毒そうな表情になりそうなものですが、なぜか志香乃はずっと笑顔でカメラを向けています。

また、あまりの案内の知識のなさに、お客さんから「アンタ田舎者でしょ」と嫌味を言われたときも、一貫して志香乃は笑顔です。

多分ストーリーとしては、「嫌なこともある。失敗もある。だけど最後は貫通することもある」というように締めたかったのだと思いますが、志香乃の表情がずっと場面に合っていないため、意味不明な事になっていると思いました。

また、志香乃の客への態度や知識の無さも、現実的ではないな、と感じてしまいました。

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