何だいこれえ。どエロいことになってるじゃん
パンチラどころじゃなくなってきた
「映画みんな!エスパーだよ!」を視聴した感想です。
すごく感動したシーンもありなから、少し物足りなさも感じた作品でした。
この作品は、テレビ東京系で放送されていたドラマ、「みんな!エスパーだよ!」の映画版です。
地上波のドラマにしては、気合いの入ったお色気シーンが話題となったこの作品。
映画になって、一層「どエロ」くなって帰ってきました。
キャストも主演の染谷将太さんを始め、エスパー仲間のマキタスポーツさんや、教授役の安田顕さん、ヒロインの真野恵里菜さんなど、美由紀役の夏帆さんを除いたドラマのキャストが、そのまま続投しています。
ただ、ストーリーはかなり改変が加えられていました。
まず違うのは、ヒロインの浅見紗英のキャラクターです。
紗英は一見清楚な美少女に見えながら、心の中は罵詈雑言でいっぱいという、裏表のあるキャラクターでした。
心の声が聞こえる嘉郎は、いつも紗英の本音を聞いてしまい、その度に傷つくことになります。
紗英は父親である浅見教授や、その研究対象であるエスパー達を憎んでおり、ドラマではついに心を開くことはありませんでした。
映画版では、まず紗英の心の声が聞こえるシーンがほとんどありません。
紗英のが腹黒いという設定は、消えてしまったようです。
ですので、紗英は父親やその助手の秋山ともうまくやっているように見えました。
またドラマでは、東京から東三河という地方に転校になった事にも、紗英は不満を持っていましたが、映画ではそのような描写はありませんでした。
また、ドラマでは紗英が嘉郎の行動指針になるほど大きな存在でしたが、今回は教授が嘉郎を、「紗英を守ってくれるだろう」と操縦するネタくらいの活躍しかありませんでした。
正直ヒロインというよりは、教授のかわいい娘さん、といった役どころに見えました。
また、他のキャストに関しても、出番が結構少なかったかな、と思います。
映画の新キャラクターの方が、出番が多かったように思えます。
ですので、嘉郎を始めとしたエスパー達は、その能力をほとんど使っていないんですよね。
この辺りはドラマと同じことをやっても仕方がないので、割愛したのでしょうか。
逆に映画しか観ていない人には、少し説明不足なのではないか、と思いました。
個人的には、情けないエスパー代表の照さんにもっと活躍して欲しかったです。
ドラマ版では、照さんは嘉郎の親友的なポジションだったので、あまり出番が無かったのが寂しかったですね。
この辺りが少し物足りない感じがしました。
童貞を守ることで、世界も守られた
また、この作品は「童貞」へのコンプレックスみたいなものがテーマとなっていますが、映画では、逆に童貞であるからこそ、世界は守られる結果となりました。
最後にポルナレフ愛子に誘われた嘉郎でしたが、あえてセックスしないことを選びます。
「アンタなんか、僕のオカズだ」と、童貞を舐めるなとばかりに言い放つ嘉郎は、「たとえ世界で二人きりになっても、不本意なセックスはしない」というプライドを見せたのだと思います。
ドラマ版にはない、嘉郎らしい幕引きが見られて良かったと思いました。
みんな!エスパーだよ!
ドラマの嘉郎は、「僕たちのエスパー能力で世界を救う」という謎の使命感に溢れていて、それが最終的な目標になっていきました。
しかし、映画版では、冒頭から「産まれる前から約束された、運命の人に出会う」という目標が最初からありました。
ドラマ版はドラマ版で、思春期らしい無駄にパワーが有り余っている感じがあって良かったと思いますし、映画版も、ちょっとセンチメンタルなテーマでいいと思いました。
この作品はエロを前面に掲げていますが、エロのその先にある生命の誕生まで、今回は描いていると思いました。
まだ、お腹の中にいる子供たちが、テレパシーで会話しあっているシーンは、感動的でちょっと泣けてしまいました。(私が経産婦だからでしょうか…?)
お腹の子供のシーンは、どれもものすごく愛に溢れているのが伝わってきます。
産まれてきたらまた会おう、ってすごく素敵でいいですよね。
何だか「皆愛されて産まれてくるんだよ。皆運命の人に出会うために産まれてくるんだよ。」という暖かいメッセージを感じて、いい映画だなと思いました。
嘉郎が、美由紀が運命の人だと分かった時の表情も良かったです。
ドラマ版ではこんなに優しい表情は無かったですよね。
教授に「世界を君が救うんだ」と言われた時も、「僕は運命の人に出会うために産まれてきたんだ」と言い返していて、ドラマ版にはない芯を感じて、主人公らしくて良かったと思います。
ドラマ版では、嘉郎は結構ウジウジしているのですが、映画版では紗英から軽蔑されても、ランニングをして体を鍛えるなど、少年らしい明るさがあって、良かったです。
「みんな!エスパーだよ!」というのは、この映画では、「産まれてくる前は、みんなエスパー」ということなのでしょうか。
嘉郎は産まれてくる前から、みんなと出会う約束をしていた、という終わり方も良かったと思いました。
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