北海道の人には面白いかもしれない
岡田将生さんは好きだけど、主人公は好きになれない
「不便な便利屋」を視聴した感想です。
率直に言うと、私にはイマイチ面白さが分からない作品でした。
この作品は、妄想癖のある主人公、脚本家の竹山純が、毎回過度な勘違いを起こすことから物語が二転三転していきます。
それが肝心な部分なので、そこを楽しめないと、ドラマの始めから終わりまでを観ることが辛くなってきます。
正直、私は一話30分を観るのが辛かったです。
ちょっと長い感じがしました。
まず、純の妄想があまり面白くないんですよね。
バーのマスターをゲイと勘違いしたり、バツさん達が誘拐をもくろんでいると勘違いしたり…。
コメディとしては笑えるほど面白くなく、か
といって普通のドラマとして観ようとすると、子供騙しのようなストーリーとなってしまい、中途半端な印象を受けました。
コメディにするのか、普通のドラマにするのか、どちらかに振り切った方が、分かりやすかったのではないかと思ってしまいました。
また、時々被害妄想的に、純が「あなた達が僕を陥れようとしているんでしょう」というような事を言ったりするのですが、視聴者からすると、意味もなくネガティブな発言をしているように見えて、好感を持てませんでした。
皆純を助けてくれた人なので、見ていてモヤモヤしてしまうんですよね。それに対してフォローがあった方が良かったと思います。
「いい加減にしろよ」と、誰かビシッと叱れる、怒り役がいた方が良かったかもしれません。
また、純は妄想を「きっとそうだ、そうに違いない」と、いつも根拠もないくせに信じ込み、行動に起こしてしまいます。
それが、見ていてちょっと気持ち悪かったです。
また、他人に対してそのような妄言を、自信たっぷりに吐いてしまう所も、好きになれませんでした。
この部分はコメディとして描いているのだと思いますが、性格が悪い感じがして、コメディだったとしても笑えないと思ってしまいました。
そもそも純は主人公ですが、人間的に好きになれないんですよね。
一文無しの所を助けてくれた人達に、感謝するどころか文句ばかり言っていて、見ていて態度が悪いと思いました。
自分の主張ばかり通したがり、ずっと不平不満を言っているイメージがあります。
そうした性格の悪さばかりが目立ち、いい所があまり伝わってきませんでした。
私は、主演の岡田将生さんはすごく好きなのですが、それでもこのキャラクターを、ずっと見ているのが辛い感じがしました。
やっぱり主人公なので、もっと純が好感の持てるキャラクターだと良かったです。
チームナックスに頼らない笑いを見せてほしい
また、全体的にコメディタッチの作品なのですが、肝心の笑いの部分が、あまりピンときませんでした。
全体的にセリフが長く、オチまでの距離が長い感じがしました。
全部聞いていないといけないのが、辛いですね。
30分のドラマなので、もっとポンポンギャグを入れた方がテンポは良かったと思います。
また、後半部のドタバタする展開も、勢いだけでやっているように見えてしまいました。
雪男に間違えられるとか、誘拐犯と誤解していたとか、やっていることが短絡的で、あまり興味をそそられなかった事が原因かもしれません。
もっとストーリーそのものに、魅力があれば良かったと思います。
大泉洋さん演じる喫茶店のマスターと、安田顕さん演じるヤクザは面白かったのですが、それは演者が笑わせようとして演技していたからであって、作品の面白さとは無関係な気がしました。
演出というよりは、監督との関係性もあるし、ご当地北海道での撮影ということでの、ご両人のサービス精神という感じが見ていてしました。
チームナックス頼りではなく、コメディ作品としてもっと頑張りが見たかったです。
北海道の空気感が好き
ただ、監督の地元北海道に対する愛情はすごく感じました。
オープニングの、ストレイテナーの曲に合わせて流れる北海道の広大な自然の映像は、とてもキレイでいいと思いました。
また、エンディングでは、逆に少し寂れた北海道の町を行く岡田将生さんの映像が流れます。
どちらも監督の好きな景色なのかな、と思いました。北海道の自然にも、人の住んでいるところにも、愛着のある様子が伺えます。
また、「ここはみんないい人だから」と、地元民にも優しいセリフもあります。
この作品は、北海道に住んでいる人が見たら、うれしい内容なのではないかな、と思いました。
私も個人的には北海道は好きなので、作品を観ていると、北海道の空気感を感じることができて、いいなと思いました。
また、雪のシーズンに撮られた作品とあって、雪深い北海道でなければ、できないシーンもたくさんありました。雪の落とし穴や、雪に埋まってしまうシーンなどです。
そうした冬の北海道の特性を活かした演出を、色々考えているのも愛情深いなと思いました。
また、雪男の回では、炭鉱の町へのリスペクトも感じられて良かったと思います。
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