ダイヤモンドは砕けない つぶやき
ストーリー性
未だなお、ファンが途絶えることのない有名かつ様々な伝説を残す作品、ジョジョの奇妙な冒険!物語はジョナサン、DIOの対決から一転。世代は交代し、ジョセフジョースターの息子、東方仗助が登場する。承太郎という孫からして血縁上甥にあたることになるが、高校生になりたてのヒーローが様々なスタンド使いに出会い、攻防戦を繰り返していく。漫画の絵もさることながら、ストーリー性は『奇妙な冒険』だけあって一般的な話の流れにならないのがさすが伝説の漫画といえるだろう。ジョジョの奇妙な冒険を筆者が書かれた当時は、外国人をメインキャラクターにすることを禁止されていたようだが、爆発的なヒットからこうした名漫画が誕生するにいたった。また常識では考えられない出来事や人物といった設定はとても興味を引くものだが、この現代でもあり得る人の感情や血縁、考え方などは道徳性があり、漫画にしては奥行きが深く考えさせられるストーリーの展開である。ストーリーの進行具合や画期的な発想はみるものをあっとさせるだけでなく、頭をも使わせられる。誰もが思いつかないようなストーリ展開が次を読みたくさせる鍵なのだろう。
ダイヤモンドは砕けない 好きな理由
私がなぜこのダイヤモンドが砕けないのシリーズが好きなのか。それはこのstoryの中で、宇宙人が登場する場面がでてくるからである。またスタンドをつかえる敵を探しているうち、急に展開が変わるのが印象的であった。筆者の考えは私から考えると、都市伝説やフリーメイソンといったものに興味があるのではないかと考察する。彼の作品には不老不死からタイムトラベル、平行世界、ゾンビや幽霊、宇宙人といった一般常識では考えられないような「アンチ」な出来事が数多く存在する。奇妙であるからという理由で作品を作るには申し分ないが、筆者の異常な知識度は本当にそのようなものが存在したストーリーで展開するものがほとんどである。
宇宙人はありとあらゆる形に姿をかえることができ、宇宙人をサイコロに変えて岸辺露伴と対決する場面がある。私たちの想像する宇宙人とはかわり、人間の形になって人間界にとけこむ宇宙人。彼は頭の良い宇宙人ではあるが仗助に利用されてしまう。高校生の好奇心旺盛な男の子をよく表現し宇宙人との交流が面白く描かれているのが印象的だ。私の勝手な考えではあるが、わたしがもし高校生の頃に宇宙人と出会えたのならこういったハプニングや出来事を宇宙人と遊んでみたいと思う。
吉良吉影との攻防戦
殺人犯吉良吉影を追って最終戦に臨んでいくわけだが、ここでは仗助と承太郎がタッグを組み、様々な攻防戦を繰り広げて行く。吉良吉影の心理的な描写はサイコパスとも思えるクセが様々に登場する。几帳面で潔癖症。自分の爪を長年集めるなど自己愛に満ちたサイコパスを描いている様子がまたすごい。また吉良吉影が顔貌をかえて他人の家で家庭をもつなど。考えもつかないようなストーリーが展開される。通常であれば、悪者を倒して正義が勝つという流れが一般的かつ納得のいく展開だが、筆者は殺人者である吉良吉影に妻と子を与え、また妻に愛され、吉良吉影が妻を好きになるという人間らしい描写や家族の形など奇妙な関係をグレートに描いている。誰もが想像つかない展開におもしろく裏切られる。
今まで自分だけを愛していた殺人犯吉良吉影が、庭先に咲いてあるねこ草に攻撃された妻を(他人の妻であるが)頭を傷つけないようにと守るシーンがある。彼のとった行動は初めて人を守るという奇妙な行動にいたったわけであるが、こういった場面から人が人らしくいれる。殺人犯が思いをもっていたというのは奇妙で仕方がない。吉良吉影の父は幽霊になってでも、息子を守ろうとしたが、父の愛があってか、吉良吉影には少しでも人に気を使う感情があったのだ。冷酷な殺人犯ははたして更生してもいいのかと考えさせられる。結果吉良吉影は仗助と承太郎の手によてに倒される運命にあるのだが、残された吉良吉影の家族は息子のみが真実を知っており、妻は帰らぬ人を待つようになる。冷酷な殺人がやっといなくなり、ほっとはするにしても、吉良吉影の正体をしってなお息子は涙を流す。悪役がいなくなったのに後味がすっきりしない。新しい感情や考え方をこの作品は教えてくれるのだ。いなくなった人の帰りを待つ遺族。遺族がことの真実を知る、知らないにせよ、その世界に大切な人が存在していたのは確かなことで、吉良吉影は簡単に多くの人を殺したが、彼もまた一人の人間として愛された男であり、世界に存在していたのだ。命は、その世界に存在しているということの大きさを感じさせる言葉でもあるのかなあと考えてしまう。
ジョジョシリーズは他の世代とも話がつながっており、世代が交代するたびに前シリーズのできごとをあたまでよぎって考えてしまうことがある。ひとつひとつのストーリーに感情が自然と入ってしまう不思議な漫画ジョジョ。今後のストーリーも楽しみに待っていたい。
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