ザ・少女漫画。 - 林檎と蜂蜜の感想

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林檎と蜂蜜

4.004.00
画力
4.50
ストーリー
3.50
キャラクター
4.00
設定
4.00
演出
3.50
感想数
1
読んだ人
1

ザ・少女漫画。

4.04.0
画力
4.5
ストーリー
3.5
キャラクター
4.0
設定
4.0
演出
3.5

目次

超ロングランヒット。

宮川匡代先生、とても息の長い漫画家さんです。48歳の私が中学生位から先生の漫画を読んでいるので、大ベテランですね。その大ベテランの宮川匡代先生の、全22巻、なおかつ、その続編も今10巻まで出ている大ヒット作品です。(シリーズというべきか。)大ベテランなのに、最新作に至るまで、その作風はあまり変わらず、絵柄は若干変わりましたけど、それでも未だもの凄く可愛い絵柄で、王道の胸キュン漫画を今もずっと描き続けてらっしゃいます。私自身、若い漫画家さんの描く胸キュン漫画はもうちょっと追いつかないので、汗、こうしてベテランの漫画家さんの、でも、変に大人の恋愛過ぎに描いていない胸キュン漫画は凄く貴重なのです。

スーパー人間、大西。

この漫画の主人公の渡辺歩は、これまで彼氏無し人生まっしぐら。学生生活を通していつも「お前は良い奴。」と異性と友達以上になれません。有名私立のエスカレートで大学まで進み、チアリーディング部では花形でみんなに好かれる人柄。大手ブライダルの企画課に勤める・・・と人も羨む人生を送ってきているのですが、男にはモテない。

そこで出会うのが、ハンサム・長身・仕事ができて、アメリカと日本の一流大出、法学部卒、語学堪能、日本語でも英語でも手話が出き、おまけにヘリのライセンスまで持ってるというスーパー人間、大西。実際こんな人いないよねー!と思うけど、そこは漫画なので。ところが、彼の欠点はとにかくキツイ、そして結婚願望ゼロという女子が一番引きまくる男。そこがこの人を漫画の中で人間に見せている部分で、リアリティーがあります。

主人公はどうも女に嫌われるキャラ。

この漫画の個人手的に面白い点。主人公は男にモテなくて、それでも仕事に一生懸命だけど大ミスしてしまったり、同僚に企画プランをパクられたり、大西にフラれてもフラれても挫けず、めげず、雑草のように立ち上がり続けるという、いじらしくも強く、強いように見えていじらしい女子。なおかつ、会社の制服組女子には企画という部署勤務であり、大西とコンビで仲が良い為嫌われまくっている。(でも、どうして学生生活では女子からも好かれていたのか?という疑問は残りますが。汗。)

普通なら絶対に応援したくなるキャラクターです。・・・なのに。何故か私は主人公の渡辺歩が好きになれませんでした。爆。・・・という点が面白い。笑。なのに、それなのに、何故か続きが気になって最後の最後まで読み、その続編の最新刊もちゃんと予約して買ってる。何ともう1998年の第一回から、19年も読み続けているのです。これは凄い・・・。大西に関してはM体質の女子なら好きなタイプなんですよね。笑。でも、歩の敵役でのちに親友になる内野理英も何故か全く好きになれない。彼女は最初、すっごく意地悪の極みみたいなキャラだったのに、自分がある事が原因で村八分になった時、歩にかばってもらって、突然良い人キャラになるんですが、その変貌が「えー!?」って感じで「それは無いだろう!」と思わずツッコミを入れたくなり、しかも、その変貌後すぐに、歩が好きなスーパー人間大西を好きになり、とろうとするという何とも凄いキャラ。(で、結局、大西にフラれて歩と親友に戻るってなんじゃらほい!?という。大汗。)歩の妹のまみに至ってはモロに女子みんなが間違いなく、大嫌いなタイプです。笑。もう清純そうな顔して、物凄い男好きで、彼氏がアメリカに留学後、交換留学でやってきたアメリカ人学生に「外人さんってどんな感じかなー?って、やってみたかったの~。」的な事というキャラなのです。女子の友達を作ろうと思ったら、よっぽどお人好しのぼーっとしてる子を探さないといけないのでは!?って思っちゃう位です。この妹のまみは、姉の歩の上司と結婚するんですが、その上司が姉の歩にフラれたという過去がアリ。まみは女子大生グラビアアイドルでこの上司とは20歳差婚。ここはツッコミ無しで納得。この位の大人の男性じゃないと、こういう女子は手に負えないし、また、この位の男性じゃないと、手あたり次第に男と付き合ってた女はそう簡単には結婚にまで踏み切る相手が見つかりませんからね。(実生活において。)あ、個人的にはこの上司の千葉氏は好きですね。やはり大西同様キツイキャラですから、M体質の女子は好きな感じだと思います。40歳なのに、ソフトに腹筋が割れてますしね。笑。

まあ、それはさておき。これだけ好きじゃないな・・・と思う女子キャラクターが揃いも揃っているのに、

なのに、読ませる!

というのが凄い。これに尽きます。ここが凄い。何だかんだ言って、やはり話が断然面白い。そして絵が上手くて好感がモテる絵柄である。男がとにかくハンサムでカッコよくて包容力がある。漫画家さんはこの3つが揃ってないと、絶対に読者をとことん引き込めないんですよね。そして、その3つが宮川匡代先生には揃っているのです。主人公好きじゃない・・・と言いつつ、時々応援・・・が、だんだんと全面的に応援になるんです。あまりにも主人公が不器用すぎてイライラしてたのに、いつの間にか応援しちゃってる。そこがこの漫画家さんの上手いところなんでしょう。それだからこそ、息の長い創作生活ができているのですね。人それぞれ感じ方は違うと思いますが、私自信はそう感じ、思いました。

まあ、もう一つ難癖つけるとすれば、親友の理英が大西にフラれた後、上司との不倫に走るところですね。彼女は学生時代、バイト先で万引きが見つかって、その口封じにバイト先の先輩に乱暴されてしまうという過去があり、そのせいで不感症になり、恋愛に臆病となったのですが、じゃあ、大西を好きになったのは?というツッコミはひとまずおいといて、汗、その過去を癒してくれたのが上司で「1日奥さんにして」と言って、「1日奥さん」になるんですけど・・・。不倫は絶対、奥さん側からすれば、正当化できるものではないのですが、ここではキレイに描かれすぎています。今は不倫は悪の文春砲の時代という事で、思い出したら嫌悪感を感じてしまうのかもしれませんが、当時読んでる時も、それは正当化、美化しすぎだろう・・・と思いました。

でも、それでも、

少女漫画を描かせたらこの人。

という位に、宮川匡代先生は漫画を描くのが上手い。絵柄はタッチが柔らかく、女の子が気が強くてもとにかく可愛く、男の人も可愛い顔してガタイは大きく、胸板厚く、肩幅広い、男を感じさせるという、少女漫画の王道で、ストーリーも殆ど全編、胸キュンの連続な訳です。凄い漫画家さんです。文句言ったり、ツッコんだりしながらも、宮川ワールドにとりこまれているんですよね、いつの間にか。笑。

この漫画、最後には両想いになるんですが、大西がニューヨークに転勤になり、別れ別れに・・・。そして歩は独立して起業する為、会社を辞める!という「えー!!!」って感じの終わりなんですが、その続きは続編でたっぷり読めます。(もともとその為にこんなエンディングだったんでしょうかね?)続編が決まっていたのか、決まっていなかったのかはさておき、ひとまずのエンディングの後、その続編は今も続行中です。やはり、続編も大変面白いです。次々と今後も目が離せない展開続きで、最新刊を待ち焦がれる日々。続編についてはネタバレになるので書けないのが残念!

ああ、やはり私は宮川匡代ワールドに取り込まれて、抜けられません!笑。

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