希望に満ちたラスト - 魔法騎士レイアース2の感想

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魔法騎士レイアース2

4.504.50
画力
5.00
ストーリー
4.50
キャラクター
5.00
設定
4.50
演出
4.00
感想数
1
読んだ人
1

希望に満ちたラスト

4.54.5
画力
5.0
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
設定
4.5
演出
4.0

目次

全ては優しさで出来ている

前作でエメロード姫を倒してしまった後悔に苛まれていた、獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風はある日再び異世界であるセフィーロへと召喚されてしまう。誰に召喚されたかも分からないまま、光達は懐かしい人々との再会を果たします。しかし、そこでフェリオが実はエメロード姫の弟である事を知ります。更にザカートの弟であるランティスという男との出会いがますます光の心を後悔の波が押し寄せます。と、想像以上にダークな始まりとなった『レイアース2』ですが、内容は前回よりも見応えはありました。前回は敵だったアスコットやカルディナが味方となってくれている事も嬉しかったです。ただ、カルディナとラファーガがあんなにラブラブになるとは正直想像も出来ませんでした。どういういきさつであんなに性格の違う2人が付き合う事になったのか知りたかったです。そして、今回は次の「柱」を決めるという過酷な内容に驚きました。更に柱になりたくて他国から敵が来るという設定はかなり見応えがありました。しかし、共通するのは全て「優しさ」なんです。「柱」になりたい者は、ある者は自分の国の為に、ある者は自分が思い描く国を作りたいと様々です。でも、誰も「悪人」は居ないのです。誰もセフィーロを支配したいとは思わないという所が好きです。だって、何でも願いが叶うんですよ?ランティスに至っては、「柱」制度を消す為に「柱」になりたかったのです。彼は、兄とエメロード姫の許されない愛を知った時からおそらくこうなる事は分かっていたのでしょう。そして、こんな悲劇は二度と繰り返してはならないと思ったのです。しかし、そんな彼の強い意志も光には敵いませんでした。光は、エメロード姫の気持を理解しながらも、また残された者の辛さを分かっていました。その「心」こそが「柱」に相応しかったのです。そして、まさか。まさかです。あの、「ぷぅ」としか喋ってくれないフワフワモコモコのモコナが「世界」の「創造主」だなんて誰が想像出来たでしょう?あんなに驚いた展開はありませんでした。物語で大事なのはこれですよ。誰も想像出来ない展開。これがないと物語は面白くありません。そして、誰よりもモコナこそが「柱」制度に後悔していた事も分かりました。だから、光を選んだのかもしれません。彼女だったら「柱」制度を根本から変えてくれると。そして、すべてが解決した後、まさかランティスがあそこまで積極的な人とは思いもしませんでした。全てがハッピーエンドで終わった今回は、前作と違い清々しい気持で読み終える事が出来ました。

コミックにも登場して欲しかった

この『レイアース2』はアニメバージョンとはかなり異なります。アニメバージョンでは、デボネアという敵が現れます。そして、彼女を母親として慕うノヴァ。出来ればこの2人もコミックに出して欲しかったです。よくコミックとアニメとは違う場合がかなりありますが、同時進行は止めて欲しいです。もちろん、それぞれ面白いから良いんですけど、設定やキャラクターが違うと途中でこんがらがってしまう事があるんです。せめてキャラクターぐらいは統一して欲しかったです。それに、イーグルの最期が違うのも残念です。彼だけは原作通りにして欲しかったです。制作側としては、両方のヒットが理想なんでしょうが、見ている側の気持も考えて欲しいです。作品によっては設定もキャラクターも全て変えてしまう作品もありますよね?あれって本当にファンの事を大切にしているんでしょうか?せっかくの感動的なシーンも原作とアニメが違うとそれだけで半減してしまう気がするんです。出来るだけストーリーを統一してくれる事を願います。

ヒロインの在り方

光達、魔法騎士達は今までにはないヒロイン像とも言えるかもしれません。私が子供の頃に活躍していたヒロインというとー『キャンディ・キャンディ』のようにあらゆる試練に耐え忍ぶか、『キューティハニー』のように一人で孤高に戦うヒロインでした。それから時の流れの中で様々なヒロインが活躍して来ましたが、ここまで「芯の強い」ヒロインは初めてです。それに、いわゆる「根性」や「努力」というスポ根物ともかなり違います。同じような作品としては『美少女戦士セーラームーン』がありますが、この作品は次々と仲間が増えていきます。これでもかっ。と増えて行くのは良いのですが、結果。ゴチャゴチャした印象になるし、一人一人に脚光を浴びる事がまずありません。『レイアース』のように三人で最初から最後まで通す方が良いのかもしれませんね。キャラクターもその方が印象に残りますし、内容もスンナリと入って来ます。キャラクターが増えた方がストーリー的には盛り上がるのかもしれませんが、注目がただキャラクターが増えていく事だけに集まっているような気がしてしまうんです。そういう意味では『レイアース』はとてもバランスが良い作品だったと言えます。

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