言葉以外でも想いは伝えられる - 愛していると言ってくれの感想

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ドラマレビュー数 1,147件

愛していると言ってくれ

4.004.00
映像
4.33
脚本
4.00
キャスト
4.17
音楽
4.50
演出
3.17
感想数
3
観た人
7

言葉以外でも想いは伝えられる

3.03.0
映像
4.0
脚本
3.5
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
1.5

目次

愛が溢れている

実はこのドラマの最大の魅力は主題歌だと思うんです。DREAMSCOMETRUEさんが歌う「LOVELOVELOVE」は何週もトップ10入りする大ヒットでした。正直に言えば、この主題歌を聞きたかったが為にドラマを見ていた気がします。出だしの、「ねぇ、どうして。すごくすごく好きなのに」という一節から胸が締め付けられるのです。こんな短い歌詞だけで全てが伝わる曲なんてありません。そして、「2人出会った日が少しずつ思い出になっても」という歌詞に、2人は別れてしまうんだと思いました。でも、曲の全体は愛に溢れていて、聞く度に好きだった人の事を思い出していました。片想いだったけど、その人の事を好きだった時間がとても良い思い出になりました。「LOVELOVE愛を叫ぼう」と一緒に歌いながらボロボロと泣いていたのが昨日の事のようです。もし、この曲が主題歌じゃなかったら見る事はなかったかもしれません。それぐらいこの歌には力がありましたし、吉田美和さんのゴスペルを思わせる歌声が大好きです。

何か、違う

聴覚障害を持っている青年・榊晃次と女優の卵である水野紘子の純愛ストーリーという事で興味を持ったんですが、正直に言えば期待外れでした。最初こそ晃次と紘子の純愛が中心になっていて、いかに障害を抱えた方との交際が難しいのかを知りました。と、同時に障害をものともせずに2人が幸せになってくれると信じていました。実際に障害を抱えた方と交際をしている方は大勢居ると思うんです。「愛があれば大丈夫」なんて無責任な事は言えません。やっぱり健常者と障害者の間には言葉では表せない壁があると思うんです。相手に対して気を使っているつもりが、逆に相手を傷つけてしまう事もあるだろうし、どこまで手助けしたら良いかも迷います。そんな時にこのドラマが何かのキッカケになれば良いなと思ったのです。ですが、何だか途中から方向性が変わってきた気がします。紘子に片想いをしている矢部健一や晃次の義理の妹で晃次の事を男性として意識している栞の存在が、このドラマを単なる良く見る普通のドラマにしてしまった気がします。そして、晃次の元カノである島田光登場って。おいおい。これじゃあ三角関係メインじゃんっ、という感じです。私はどうもこの三角関係というのが苦手なんです。だってハッキリさせれば良いだけの話じゃないですか。それなのに何だかハッキリしない態度でどっちつかずな所がイライラするんです。それでも何とか晃次と紘子は同棲までいきます。よしよし。これで三角関係は決着だなと思った瞬間。何と、晃次と光が一緒に居る所を見た紘子が誤解して健一と一夜を共にしてしまうのですっ。何でそこで一夜を共にするんだ?たった一言晃次に聞けば良い出けじゃないのか?と、画面に向かってツッコミをいれてしまいました。そして、結局2人は別れを決めます。朝の海辺で、晃次は紘子にあるお願いをします。手話で「愛してると言ってくれ」と伝えると、紘子は不思議に思います。でも、晃次は振動だけでも感じたかったのです。紘子が「愛してる」と言う声が。紘子は晃次に抱きしめられ、その肩に喉を押し当て、何度も何度も「愛してる」と叫びます。その振動を感じながら晃次は、紘子を抱きしめ続けます。って言うか、別れる必要がそもそもあったのでしょうか?それから数年たち、紘子が道端のリンゴを取ろうと手を伸ばします。何度も何度も失敗して転んだ時、背の高い男性がスッとリンゴを取って差し出します。それは何と晃次でした。と、何かスッキリしません。何か、もう少し長めのラストにはならなかったのでしょうか?映像を見る限りではやり直し出来そうですが、実際はどうだったんでしょう?せめて2人が付き合うのかどうかだけでもちゃんと教えて欲しかったです。ペコっとお辞儀だけなんて寂しすぎますっ。何か無理矢理2人を別れる設定にしたみたいで納得出来ないのは私だけでしょうか?

この人、だれ?

1番最初に晃次役の豊川悦司さんを見た時の第一声です。スラリとした長身にやや鋭い眼光。サラサラヘアの漆黒の髪に、大きな手。白いゆったりとしたシャツがよくお似合いでした。それまで豊川さんを見た事はなかったので、その日本人離れしたスタイルにまず驚いてしまいました。それからとても指が長く、手話をする度に見惚れていました。反対のホームに紘子を見つめて走る姿も格好良く、こんな素敵な俳優さんが居るなんて、と家族中でファンになりました。このドラマの後も豊川さんの活躍は素晴らしく、大河ドラマや映画へと引っ張りダコですが、やっぱり私はこの時の第一印象が忘れられません。普通、少し目尻が上がっているとキツい印象があるのですが、豊川さんは違いました。時々笑った時のクシャッという表情がまるで少年のようで、こんな人と出会えたら。なんて思ってしまいました。

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言葉の大切さを考えさせられた大ヒット恋愛ドラマ

言葉にすることは難しいこと1995年に放送されたものということもあり、最終回にポケベルが登場したくらいで作中はまだ携帯電話やSNSがない時代で公衆電話やファックス、そして手紙を書くということが多く見られ今よりも大切な人と会うためや連絡と取るために試行錯誤されている様子がとても印象的でした。待ち合わせをしていても待ち合わせ場所が分かりづらかったりすると途中で連絡を取り合うことが出来なかったりすれ違いを生じやすい、とても不便な部分を多く感じました。でも、だからこそ偶然会えた時の嬉しさや相手が自分を待っていてくれた時の幸福感は今より何倍にも増して感じた時代であったことも分かります。今でいうメールやLINEが当時ファックスで行われていることもとても新鮮でした。必ず自分の書いた文字で相手に届く、ということも機械的でなく人の想いや温かさがより伝わりやすいと思うのでとてもいい交通網だったように感じます。そしてな...この感想を読む

4.54.5
  • ぴぽぱぷぅぴぽぱぷぅ
  • 769view
  • 2004文字
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ストーリーと音楽が大好きなドラマでした。

ドラマのストーリーとキャスト、主題歌も大好きなドラマでした。豊川悦司さん演じる榊晃次は耳の不自由な売れない画家でしたが、この役は豊川さんにぴったりマッチしていて、とても良かったです。あまりにこの役が似合い過ぎていて、その後に違う役で出演している豊川さんが声を発するのを見ても、私の中では何か違和感を感じたほどでした。常磐貴子さん演じる水野絋子は榊晃次を一途に思う女優のたまごの役でしたが、晃次と話したくて一生懸命手話を覚えたり、自分の出るお芝居のチケットを渡したりする姿に感動して、思わず、がんばれと応援しながら見ていました。初々しい常磐貴子さんの演技にとても好感が持てました。二人はお互いひかれあっているのに、途中でさまざまな人に邪魔されたり、タイミングがわるくて、上手く気持ちを伝られなかったりするのですが、それも恋愛ドラマをより盛り上げていたと思います。なんの障害もなくすんなり結ばれるスト...この感想を読む

4.54.5
  • まなみまなみ
  • 294view
  • 674文字

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