高校生を通して人間の心理を見ている
高校生の今
現代の日本はSNSの普及でコミュニケーション方法が多様化し、集団心理のありかたが変わってきている。このアニメでは日常の高校生の心理を深く読み解き、描写されているところが印象的だ。いじめはどのようにしておきるのか、いじめになるまでの教室の描写などが分かる。グループではぐれてた子の考え方、その子達のクラスの中でのポジションなど。例えばハチマンのポジションがこれにフィットしている。これらの要素がクラスの中でどのように作り上げられているのか理解するのことができる。ネガティブなところばかりではなく、どうやったら人間関係がうまくいくのか、なにが大事なのか。多角的に分析されて作られている。
キャラクターポジション
ハチマンは主人公としては極めて特異性を持ったキャラクターだと思う。大体、主役はなんでもできてハーレムで能力が高い。また、高校生を扱ったアニメだと1話かその話ごとに活躍して終わるというのが普通だ。まず、悪役のようなポジションをとることがない。ただ彼の考えたは一般的にいうとくさっている。だが、洞察力は高くて人間の本質を理解している。集団行動は苦手だが、個人プレイは能力が高い。どのように集団心理を理解し、アプローチするすべをこころえている。小学生がボッチになっているのをアプローチしているところは例にあげられる。ルミがボッチでなじめないでいるところを助けたところは印象深い。一人ぼっちの特性を理解し、仲間はずれにしている集団をこわす。そうすることでその子へのいじめや悪口が減り、その子の気を和やかにすることに成功している。ただ、やり方はたしかに最低である。だが、彼のような性格の人ができる方法で結果はともなっているのでやり方としては受け入れられる。ユキノシタもどちらかといえば個人プレイを主としている。彼女の発言は独特でおもしろい。しかも毒舌である。ハチケンに似たところはあるが、集団心理対してのアプローチの方法は異なっている。さらに集団、個人の悩みに対しての本質を深く理解しているところは分かる。しかしながら、このストーリでの発言がハチケンとユイガハマに比べてすくないように感じられるので彼女の性格自体を深く理解することは難しい。対してユイガハマはとても理解しやすい。すぐ身近にいるようなキャラクターだからだ。和を大事して、嫌われることを嫌がる。つねに集団を意識した行動になっており始めはハチマン、ユキノシタに比べて個がない感じであった。ただ、ストーリーが進むにつれて自分の考えを持ち始め、芯が強い女性として描写されている。
そのほかのキャラクターも何人かは印象的で見ていておもしろい。いてほしいポジションにいてほしいキャラクターがおかれているといった感じ。ザイモクザのハチケンを助けるポジションとしてうってつけだ。しかも性格が問題だらけというところがよい。トツカも癒されキャラクターとして重要だ。
集団に対しての考え方
小学生のはずれたものに対してのアプローチなど集団心理が細かく描写し、解決するところはストーリーの密度が高校生のアニメとは思えないほど深い。学園祭はさらに深くまでほりさげられている。できる人間が一人で仕事をやるのは正解か否か。クラスに重点を置いて生徒会の仕事の効率をさげることをいいのか。仕事を楽しむのはどこまでなのか。これについてハチケンが「人」という字を通して表現されている。片方がよりかかっていて外見的には、助けあっているように見えても片方が楽している。実行委員会をうまく言っている。ハチケンはいいことはいっていないが、確信をついている。またハルノの立ち位置が重要になっている。つねに先を見通し、ハチケンなみに洞察力が鋭い。実行委員長が悪役のようになっているが、このようなキャラクターは現実でもいると思うし、現実感より出て身近な文化祭に感じられる。いかにも女の子といった感じだが、彼女なりには必死なのだろう。ハチケンが敵になり、そうすることで集団をまとめあげているところは彼独自の手法なのだろう。共通の敵を持つことは集団がまとまる方法としては正解である。ただ、彼自身が犠牲になるということはやはり彼の表現する「人」という題どおりになっているところは残念である。ユキノシタに関しては芯をついていて、彼女だけがたくさん仕事しているのはたしかにおかしい。彼の手法はたしかにいい方法ではないが、人間の闇の部分をしっかり理解していて、それをうまく利用している。彼にはそれが正しいやり方なのかもしれないが自己犠牲と呼ばざるをえない。先生がいつもハチケンを気遣っているところはほんとうに感動的だ。そこで彼女はハチケン自身が傷ついて心が痛む人間もいることを知るべきだということを諭している。そこでも人間の本質ともいうべきところをしっかりと出している。このアニメでは集団心理に対してのアプローチがそのキャラクターを形ずくっている。
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